凌雯婷 LING WENTING
博士前期 写真・映像領域 百瀬研究室
作品・研究テーマ
「カタログ」 ー 知覚について写真表現
研究内容・目的
子供の頃、一人で家にいるときは怖くていつも不安だった。
その不安を感じた時に私は家具家電が生命を宿した物体だと妄想して、彼らについた傷やシミを観察してどのような使われ方をしたのか考えた。
この方法で彼らを熟知し、その恐怖心を解消していた。
そして大人になった今、恐れを抱くものはもう誰もいない部屋ではない、その代わりに見知らぬ街、見知らぬ建物、見知らぬ人たちに対して恐れを感じるようになった。
この恐怖に対抗するために、私は目的もなくカメラを持って、妄想し、街、建物、人々の中に宿る生命力を感じさせる部分を探してみることにした。
その姿はまるで未知のジャングルに足を踏み入れた写真家のように、彼らに宿る生命力を探していた。
今回その感じ取った生命力というものをカメラで記録し、撮影した写真を通して彼らの「習性」を知り、世界を感知するカタログを作った。
この方法で身の回りに点在する“知らない”環境への恐怖心を解消していった。
研究方法
知覚を介して無機物から人間が残した痕跡を探す。
写真を編集する時に、見た目以外の関係を探し、ことごとの間に見えない関係を探し出したいと考える。