論文構成
山田洸太/デザイン総合研究
画像の重ね合わせによる時空間情報の曖昧化と思考の促進
CONTENTS
序論
はじめに
研究の背景と目的
- 背景
アナログメディアが主流だった時代、インターネットが発達した現代に比べて、人々が自ら想像することが重要視されていた。アナログメディアは不完全な情報が多く、それを補うために想像力を働かせることが求められ、これが考え方を整理する力を養う環境として適していたのではないだろうか。しかし、この時代のメディアを深く理解するためには、一定の知識やスキルが必要である。
一方、デジタルメディアが発達した現代では、誰もが簡単に自身の考えや意見を発信できるようになり、情報は膨大に溢れている。その結果、自ら想像することよりも、自分の考え方に近いものを取捨選択することが重要視されるようになった。
デジタルメディアは一見、情報が十分に満たされているように感じられ、すべてを理解できたかのように錯覚しがちである。しかし、実際には、誤った情報や偏った意見が混在しており、それを見極める力が必要とされる。
このように現代社会では、情報を見極める力が重視される一方で、自ら考える力が軽視される傾向がある。さらに、興味に基づいた情報ばかりを目にしたり、同じ価値観を持つ人々との交流が増えることで、視野が狭くなり考え方が偏りやすい環境とも言える。
これらの要因によって、情報の受け手側の参与性が低下し、結果的に想像力が衰えているのではないかと推測した。
- 目的
- 思考の促進
画像を重ねて時空間情報を曖昧することで、鑑賞者が情報の補完してもらう。そのために思考を促す作品を制作する。
- 印刷と3DCGの比較
アナログとデジタルで作品を展示することで、鑑賞者へ与える印象の変化を比較する。
論文の構成
- Keyword:画像, 階層, 曖昧, 思考の促進
第1章 現状調査
調査の方法
Web検索
論文
先行事例
- 中西信弘 - Layer Drawing
この作品は朝日が昇る風景、アイスクリームが溶ける様子、コピー用紙が燃え広がって行った焦げ痕など、身の周りでおこる変化を一定間隔で撮影し、透明フィルムにプリントし積層したものである。時間の経過が積み重なった立体物として留める事で、常に消え去っていく過去と現在をあらゆる角度から同時に眺める事の出来る彫刻作品である。
時間はあたかも人間にとって共通のもののように思えるが、人の感じ方はそれぞれで全く別の捉え方をしている。時間そのものは常に形も境目もなく存在し、どこかの一部で留めて捉えることの出来ないものである。この作品をみるとき、画像と画像の間にある時間と空間の隙間を自ら補おうとする行為が生まれる。自らの身体の内で欠落した時間と空間とを常に埋めて行こうとし続ける行為こそが時空間と人間の感覚との関係そのものである。とらえどころのない時間、空間というものを共通の感覚として捉えられるものしたいと思っている。
- Alessio Trerotoli - URBAN MELODIES
多重露光と都市写真を通して、トレロトーリはローマ、ニューヨーク、パリなどの都市を抽象的に表現し、複数の写真を重ね合わせている。アレッシオ・トレロトーリのプロジェクト「Urban Melodies」は、賑やかな街並みの中に見られるリズムとハーモニーを独自の視点で表現し、見る者を魅了しようとしている。写真と芸術的表現の融合を通して、トレロトーリは日常を非日常へと変貌させ、都市環境に響く隠れたメロディーを解き明かす。そのため、それぞれのイメージは動き、コントラスト、感情の物語を語る。それらは観客を、都市の中心で繰り広げられる複雑な生命のシンフォニーへと誘う。言い換えれば、Urban Melodiesは、現代の都市景観の美しさと複雑さを明らかにする、表面を超えた視覚的な旅なのだ。
さらに、Urban Melodiesシリーズは、私たちが訪れた場所と記憶している場所との間のギャップを埋めようとしている。私たちの記憶は明確で定義されたものではなく、ぼやけ、時には混乱し、感情、感覚、人々、思考などのさまざまな層で満ちている。これらのレイヤーはすべて、これらのイメージのように、彼の多重露光都市写真の中でトレロトーリの記憶を定着させようとしている。
さらに、Urban Melodiesシリーズは、私たちが訪れた場所と記憶している場所の間のギャップを埋めようとしている。 私たちの記憶は明確でも明確でもなく、ぼやけていて、時には混乱していて、さまざまな感情、感覚、人々、考えの層でいっぱいである。これらの画像のように、これらすべての層は、多重露光の都市写真でトレロトリの記憶を固定しようとしている。
「私は、自分の街や旅行先で、現代のフラヌールのように毎日歩いてインスピレーションを養うようにしている。自分の生活の中で、いつも身の回りの美しいものを探すようにしている。私のUrban Melodiesで、渋滞や廃墟の中に美を見出すことができるのなら、どこにでも美を見出すことは可能なのかもしれない。一度、完璧な言葉を読んだことがある: 私たちは美しいものを見つけるために世界中を旅する。
- 進藤研究室 写真展『すきま』(更新:2024/11/16)
週末、福岡アジア美術館で行われていた進藤研究室 写真展『すきま』を鑑賞してきた。
私は隙間という言葉を聞いて、物と物の間という物理的なイメージを抱いていた。しかし、展示会場の前書きでは、時間における隙間や気づきにくい部分「盲点」といった意味も持つと書かれていた。それを読んで、同じ単語でも異なる場面で用いられるような汎用性の高い言葉が多いのも日本語の魅力であるように感じた。
その展示で最も印象的だったのが、一部が破れた写真を前方に配置し、その隙間から後方に配置した写真が見えるという階層を意識した作品である。奥に配置した写真は上下左右の角度によって印象に変化が生まれる。見ていて飽きない展示方法であり、時間をかけて観察したくなる作品であった。
木下和|not found ID
人が等しく持つこのすきまを、
僕らは自分以外のせいにしてもいい。
でも、その責任を誰もとってはくれない。
ID(identity)「私は私である」と、
僕らは叫ばなければならない。
考察
- 立体作品にすることで得られる効果
- 角度によって作品の表情に変化が生まれる
鑑賞する人の自由度が高く、より鑑賞者主体の作品となる。
"想像させる"、"考えさせる"ことに重きを置いた作品に向いている。
まとめ
第2章 実験研究の準備
実験研究対象の選定
実験研究素材の作成
実験研究システムの作成
第3章
実験方法
実験結果
考察とまとめ
第4章
実験方法
実験結果
考察とまとめ
第5章
考察とまとめ
第6章
結論
今後の課題
参考文献?
資料
成果物の仕様
調査関係資料
(アンケート用紙等)
その他