#author("2025-12-18T17:13:31+09:00","default:art-gs","art-gs") #author("2025-12-18T17:13:50+09:00","default:art-gs","art-gs") *呉 義奧 &small(ゴ ギオウ); 博士前期課程 芸術表現領域 趙 瑞 研究室 ~ ***研究テーマ デジタルゲームにおける「達成感」設計の考察 ― 個人開発を通して ~ ***研究概要 ゲームにおける「達成感」は、プレイヤーが体験の過程で得る重要な心理的要素の一つである。ゲーム産業においてもその重要性は広く認識されているが、従来の商業ゲームにおける達成感研究は、「課金率」や「プレイヤーの滞在時間」、「難易度調整」といった指標を中心に行われてきた。そのため、達成感がどのように生成され、どのように体験されるのかといった設計原理や感情的価値の本質については、十分に論じられていないのが現状である。一方、個人開発によるゲームは、制作者の美学や感情設計を直接的に反映し得る創作であり、プレイヤーと制作者の関係性を再構築する上で重要な実践領域である。 本研究は、個人によるデジタルゲームの開発実践を通じて、プレイヤーがゲームの過程でどのように達成感を獲得し、体験するのかを考察し、その体験をいかに設計できるかを検討することを目的とする。研究では、Unityエンジンを用いて7つのゲームステージを設計し、難易度、操作方法、クリア条件、UI構成、さらに視覚・聴覚効果などの要素を調整した。異なるゲーム経験を持つ23名の参加者にテストプレイを依頼し、アンケート調査を実施した。分析では、「ゲーム難易度と挑戦意欲の関係」、「ポジティブフィードバックの効果」、「新規性がもたらす体験」の三つの観点から、プレイヤーの行動データと主観的評価の関連性を検討した。 その結果、達成感の形成には以下の三つの要素が有効に作用することが明らかとなった。(1) プレイヤーの能力と難易度の適切な均衡。(2) 聴覚・視覚的効果や収集要素によるポジティブフィードバックを通じた「小さな成功体験」の反復。(3) 新しいプレイ要素の導入によって促される探索的理解である。本研究の知見は、個人開発における体験設計の理論的指針を提示するとともに、ゲームデザインが感情的交流の形成を促す創造的可能性を示したものである。 ~