LogoMarkWhite.png

渡邊和幸/Keywords のバックアップ(No.6)


Keywords




浮世絵


kanagawaokinamiura.jpg
神奈川沖浪裏 (葛飾北斎 作)
参照: The Metropolitan Museum of Art




概要

浮世絵とは、江戸時代に一般の人たちの間で流行した絵である。「浮世」とは「今の世の中」と言う意味であり、人気のある歌舞伎役者や一般の人たちの生活や風景を描いたものが浮世絵と呼ばれた。今でいうところの人気アイドルのプロマイドや、旅行先で買う絵はがきのようなものである。当時は「かけそば」一杯ぐらい (現在の価値で400円ほど) の比較的安い金額で一般の人たちが気軽に楽しんだものであった。明治時代になると、浮世絵は日本にやってきたヨーロッパやアメリカの人々の目にとまり、大量に海外に持ち帰られた。そのため海外の有名美術館には、今でも状態のよい浮世絵が多数保管されている。




浮世絵のはじまり

浮世絵を制作方法で区別すると「肉筆画」(手書きの一点ものの絵) と「版画」に分かれる。江戸時代前期に活躍した菱川師宣が最初の浮世絵師だといわれており、肉筆画である「見返り美人」が知られる。


mikaeribijin.jpg
見返り美人 (菱川師宣 作)
参照: パブリックドメインQ


師宣は当初、絵入本の挿絵を手がけたが、挿絵から独立した墨一色の版画である「墨摺絵」や「肉筆画」の分野でも精力的に活動し、一枚絵としての浮世絵の形式を確立させた。




浮世絵版画の技法の進化

江戸初期に絵入本の挿絵から独立して描かれるようになった墨摺絵は、町に出回り、庶民の観賞用として広がった。やがて墨一色では飽きたら無くなった人々は、より豊かな色彩表現を求めるようになった。それに応えるべく、墨摺絵に彩色するいくつかの技法が生まれた。しかし、いずれも筆による彩色であったため量産はできなかった。

江戸中期になると「色版」による彩色が始まる。色ごとに作られた何枚もの色版をずれないように摺るため、版木には「見当」という目印がつけられた。この工夫により、よりカラフルな多色摺の版画が量産できるようになった。中には10色以上もの色版を重ねた、豪華な多色摺版画も登場し、それらは「東錦絵」と呼ばれ、江戸の名物となった。「東」とは江戸のこと、「錦絵」とは絹織物の「錦」に匹敵するほど美しい絵という意味である。

鈴木春信は江戸時代中期に活躍した浮世絵師で、明和2年 (1765) に生まれた多色摺木版画 = 錦絵の誕生に主導的な役割を果たした、錦絵の創始者である。


woman-dancer-in-daimyo's-palace.jpg
Woman Dancer in Daimyo's Palace (鈴木春信 作)
参照: The Metropolitan Museum of Art




浮世絵の技法

墨摺絵とは、墨一色で摺られた浮世絵のことである。墨摺絵は本の挿絵から独立して始まったとされる。その後、墨摺絵に手作業で色をつけるようになり、「丹」(酸化鉛) を使って色をつけた「丹絵」や、「紅」(ベニバナの色素) を用いた「紅絵」、「漆」を用いた「漆絵」などがよく知られる。


紅摺絵とは初期の多色摺版画で、墨でアウトラインを摺り、紅や草色をはじめとする数色程度の色を刷り重ねた絵である。錦絵が開発されるまで、浮世絵版画の主流であった。








Brand Identity Prism

brand-identity-prism.png
Brand Identity Prism の構造


ブランド・アイデンティティ・プリズムは、ブランド・アイデンティティの定義に必要な要素を、プリズム (六面体) の形で整理するフレームワークである。フランスの HEC 経営大学院の教授である Jean Noel Kapferer が提唱した。


ブランド・アイデンティティ・プリズムは、以下の6つの構成要素で成り立つ。