博士前期課程 芸術表現領域 南 研究室
日本画について
大学院で制作するにあたり、学部の頃から引き続いて「普遍性」について題材にしている。私は芸術における「普遍性」について、先人が四季の移ろいなどの自然の偉大な力や美しさを愛で、世の中の動きに関係なく表現してきた「日本画」のあり方こそ最も普遍的であると考え、色遣いや構図が奇抜になっても「日本画」を描いているという自覚を大切にして制作している。その「日本画」のもつ普遍性に、人間や人間が形成する社会の本質であると私が考えるものを融合させ、それぞれの作品の表現に繋げている。
選んだモチーフによって見る人から識別されるのでなく、具象を描いても、抽象を描いても独自性のある絵になることを目指すため、一枚ずつ対象や構図がバラバラになる様に意識しつつも全ての作品に共通して先述の「普遍性」という大きなテーマが感じられる様心がけている。この際、近代画家の藤田嗣治の絵に対する姿勢を参考にすることが多い。藤田は、多くのモチーフや情景を描いているにも関わらず、その殆どすべてにおいて彼の独自性を多分に発揮していると感じる。そして藤田は主に海外で活躍した洋画家でありながら、日本の伝統や文化にも愛着を持って積極的に題材とし、作品に自身の主張を過度に込めることなく、主に群像を通して人間の様相をフラットな視線で謙虚に見つめた作品を描いており、実に日本画家的な姿勢を彷彿とさせる。藤田のこういった姿勢は私の芸術に対する観念と合致しており、指針とするに至った。
今後、グローバル化や個別化が叫ばれ、目まぐるしい勢いで変容している社会の現状に対し、普遍性や本質を見出しづらくなるかもしれないが、現状を受け入れつつ、様々な思いや葛藤を藤田や日本画家の先人の様に偏りのない視線で表現することを心がけたい。
1998 年山口県下関市出身・在住
2018 年九州産業大学芸術学部芸術表現学科絵画専攻入学
2022 年九州産業大学芸術学部芸術表現学科絵画専攻卒業
2022 年九州産業大学大学院芸術研究科造形表現専攻博士前期課程入学
2021年
「1080 <九州産業大学 日本画在学生+展>」 UNPEL GALLERY(東京)
「第8回<展days>」 下関市立美術館(山口)
「九州産業大学芸術学部・九州産業大学造形短期大学部作品展 なみきスクエア(福岡)
2022年
「九芸卒展2022」 九州産業大学(福岡)
「1080-vol.2-
~第11回大学日本画展~<九州産業大学 日本画在学生展>」 UNPEL GALLERY(東京)
「九芸展2022~九州産業大学 芸術学部・大学院芸術研究科 作品展」 大分県立美術館(大分)
「第7回石本正日本画大賞展」 浜田市立石正美術館(島根)
「九州産業大学芸術学部 日本画研究室展」 九州産業大学美術館(福岡)
上記箇条書き、リンク、以下のように記述しています。
-項目1 -項目2 --項目2−1 --項目2−2 -項目3 -項目4
-内部リンク:[[学生一覧]] -外部リンク1:http://www.kyusan-u.ac.jp/ -外部リンク2:[[九産大>http://www.kyusan-u.ac.jp/]]
確認事項