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丁柯元 のバックアップ(No.5)


丁柯元 DING KEYUAN

博士前期課程 写真・映像領域 百瀬 研究室

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作品・研究テーマ

"Liminal"

研究背景:

現代社会の急速な発展は、人間と自然の関係に大きな変化をもたらした。私たちが住む都市は、私たちを自然から隔離し、意図的な分断線を形成する傾向にあります。しかし、人間と自然の相互作用が止まることはなく、自然の要素は常に何らかの形で人間の建築や生活に入り込んでいます。同様に、人間の活動もまた自然に大きな影響を与えます。この相互浸透、交錯、対立のプロセスは、私の創作の核となる動機のひとつであります。このような背景のもと、私の写真は、森からダム、岩、下流の水源、水中の小さな命、そして私の知る人々、私の周囲、私の行く場所へと徐々に広がっていき、これらの写真の対象を通して、自然と人間の建築や生活の絡み合いと共存を映し出しています。


研究内容:

私の研究は、人間と自然の相互作用、特に植物と人間の類似性、そしてこの相互作用が写真でどのように表現されるかを探求することに焦点を当てています。私はダムとその周辺環境、石、水源、微生物などを撮影し、同時にカメラを私が知っている人々に向け、自然の中での存在と環境との相互作用を観察します。私は写真の組み合わせを通じて人間と自然のダイナミックな関係を展示し、人間と植物の共生から人間と自然の相互影響、そして人間と他人の相互作用まで、完全なローテーションに構成しています。

 

作品について

本作品では、まず植物の形態と人間の類似性を探ることから始めました。そこから、人と自然の相互関係、そして自然環境における人間の役割についての探求へと進んでいきます。この探求は、単に自然の観察にとどまらず、身近な人々との自然との関わりも記録し、私自身と外界とのつながりや相互作用について考察しています。私は万物と対話する過程で、それらの生命力と霊を発見し、万物のすべてが循環の中で繰り返し交互に一体になっています。この過程は私の成長と変化を反映しており、人と自然との関係の循環と変化を示しています。

作品のタイトル「Liminal」は、「境界」または「過渡的な空間」を意味します。この言葉は、現実と想像という二つの状態の間にある微妙な瞬間を表現しており、自然と人間の間に存在する曖昧な境界や、植物から人間への探求プロセスを象徴しています。生命と環境に関する持続的な対話を示すタイトルとして、作品の主題を反映しています。

展覧会、研究発表、プロジェクト活動等

人間と環境 2021.12 九州産業大学15,17 「Back on track」

島展 2022.5 福岡市美術館 「The Pilgrim's Progress」

憂き世 2023.1 福岡アジア美術館 「180秒・私の目から逃げた光」

2023九芸展 2023.5 福岡市美術館 「Between all of the worlds」

島展 2023.6 福岡市美術館 「海に生きる島」

刻の断編 2023.12 福岡アジア美術館 「沂河の夏」

島展 2024.6 福岡市美術館 「Vague days」

Prism 2024.10 ソニーイメージングギャラリー銀座 「Itinerant」

穿行 2024.10 麗水市美術館 「Itinerant」