自然と人間の共存を推進するためのプレゼントUXデザイン研究
近年、森林はあと 100 年ほどでなくなると言われている。森林が失われれば、二酸化炭素の吸収・貯蔵が行 えることができなくなり、温室効果ガスを増加させ、地球温暖化が進行する要因になる。地球温暖化が進むと 異常気象を引き起こし、台風などの災害が起これば、今残る森林も失われるという悪循環に陥ることになる。 生活の中では実感しにくいが、私たちが今生活できているのは森林の存在があり、本来なら共生し、私たちが 守らなければいけない森林が、世界規模で破壊され続けている現状がある。
生きていく上で必要な部分はあるものの、過剰に破壊されていることから、それらを食い止めるため、環境 省を中心とした行政機関では様々な取り組みを行っている。
例を挙げるとするならば、日本のスナック菓子メーカー、カルビー株式会社は、環境配慮の取り組みや自然 を楽しむ企画を展開する「Jagabee Happee3プロジェクト」の1つである「Green Project」の第3弾をスタ ートし、第1弾、第2弾に続き「Jagabee(じゃがビー)」対象商品の売上の一部を寄付し、パーム油の一大生 産地であるボルネオ島の森林保全活動も継続して支援を行う取り組みを行なっている。また、自動車会社 TOYOTA では、だれでも気軽に立ち寄ることができ、自然の素晴らしさや価値を学ぶことができる場の提供 を目的に「TOYOTA の森づくり」という温暖化や自然災害の頻発など地球環境が危機的表状況にある中で、 クルマの環境負荷をゼロに近づける活動を推進するともに、森林の保護活動や多世代への意識改革に向けた教 育にも力を入れている。
そこで、私も新たな視点から森林減少を食い止めるために取り組めることはないだろうかと考え、自然の大切さや自然が私たちにもたらす恩恵を他者に伝えたい、また、プロダクトも消費者も共に成⻑できる新しい体 験価値を生み出す UX デザインを完成させたい、と考えるようになった。
「プレゼント」というのは、人類史において、非常に大きなテーマであり、最も身近でエモーショナルな行為である。プレゼントという人と人に最も身近でエ モーショナルな行為を改めて分析し、プレゼント UX をデザインすることを目的にする。そして、プレゼントの対象にするのはコスメプロダクツである。コスメプロダクツは自分自身に購入するケースが多い現状にあるが、クライアントに「誰かのプレゼント」として購入してもらうことを想定するコスメ、という新しい視点 のコスメを開発することにより、さらに新しい体験価値が生まれると考える。
自身が独自ブランドとして、コスメプロダクツにプレゼントとしてのユーザー体験を「花、植物」をモチーフにデザインすることで、強いインパクトを与えられると考えており、プレゼント行為自体の新たなスト ーリーを生み出し、商品そのもののデザインが豊かになると考える。そして、私の研究と成果が、地域貢献 にも繋がっていくよう、研究の成果を見出す。
中沢新一氏による芸術人類学
九鬼周造氏による「いきの構造」
谷崎潤一郎氏による随筆「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」
各々のアイディアの先行事例調査
詳しくは酒井菫/アイディアノート
来週までに
感謝のワード調査を図に表す

白で統一された広いゼミ室の窓からは金木犀がのぞいており、金木犀の香りに包まれながら「多元世界に向けたデザイン:アルトゥーロ・エスコバル」を院生の3名と阿部 浩之先生と輪講(りんこう)に参加させていただきました。
持続可能な世界へのトランジションに向けてのデザインの再定義について書かれており、自分の当たり前と思っていることはなぜ当たり前だと思うのか、一歩下がって広い視野で物事を見る力をつけることが大切であり、自らが欲しい道具を創るのも良いが、社会問題を解決していく道具を創っていくことこそがデザイナーの役割なのではないか、と再認識しました。
佐賀大学芸術地域デザイン学部の皆様、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました💐
提案アイデア1:💐
街の「感謝の木」プロジェクト
コンセプト: 金銭的な対価を伴わない、日々の小さな「ありがとう」を、物理的なシンボルに集積させる。
| 要素 | 概要 | 贈与経済への貢献 |
| ギフトの内容 | 店内に「感謝の木(メッセージを吊るすオブジェ)」を設置する。 | 「言葉の贈与」。優しさや共感を、物理的な形で残る「財産」にする。 |
| 贈与の行為 | 来店者がレジや休憩スペースで、小さな葉っぱ型の紙に「今日誰かにしてもらった優しさ」「誰かに言えなかった感謝」を手書きし、木に吊るす。 | 匿名で、かつ見返りを求めない「優しさの記録」を街に共有する。 |
| お店の役割 | お花屋であれば、木を本物の枝や花で飾り付け、コスメ店であれば香りづけをするなど、専門性で空間を演出。定期的に、メッセージをまとめて地域のフリーペーパーや掲示板に掲載する。 | 店がコミュニティの感情的な「交差点」となり、顧客との関係性を深める。 |
| 利用 | 木に吊るされたメッセージを読むことは、「見知らぬ人からの癒やし」という形で、来店者への間接的な贈与となる。 |
| 応用 | 季節の変わり目に、集まった葉っぱをお花やポプリと共に「感謝の記念品」として、メッセージを書いてくれた人にランダムで贈り返す。 | 贈与のサイクルを完成させ、「優しさが戻ってくる」という感覚を生み出す。 |
提案アイディア2:💐
「思い出の記憶」を託す花
コンセプト: 花を贈る行為を、単なる「お祝い」から「記憶と物語の共有」に拡張する。
| 要素 | 概要 | 贈与経済への貢献 |
| ギフトの内容 | 「ストーリー・フラワー・タグ」という、花束に取り付ける小さな木製や厚紙のタグを提供する。 | 物理的な商品に情緒的な価値(物語)を付加することで、モノの価値を上げる。 |
| 贈与の行為 | 贈与者が花を購入する際、このタグに「この花を選んだ理由」「その花にまつわる小さな思い出」「受け取った人に向けた未来のメッセージ」をその場で手書きする。 | 時間と労力(手書きする行為)をギフトに含めることで、贈与の「重み」が増す。 |
| お店の役割 | 店頭に「贈与者のメッセージ記入コーナー」を設け、万年筆や色鉛筆、アンティーク調のスタンプなどを用意。書くプロセス自体を儀式化し、贈与者の気持ちを最大限に高める。 | 花屋が単なる売り場ではなく、「想いを編む場所」としての機能を持つ。 |
| 応用 | 数週間後に贈与者に「お相手がタグをどうされたか(例:乾燥させて飾っている)を尋ねるハガキ」を送り、その後のストーリーを共有してもらう(任意)。 | 贈与後の「関係性」を育て、循環させる。 |
選考事例:2ちゃんねる(完全匿名の掲示板)、風の電話(来訪者は電話で亡き人に思いを伝えたり、ノートに気持ちを記載したりできる。)
詳しくは酒井菫/アイディアノート
来週までに
感謝の木をキーワードに選考事例を調査する
・法概念における贈与
当事者(贈与者)の一方がある財産を無償で相手方(受贈者)に与える行為。
・社会習俗における贈与「贈り物」
通常、贈る側から贈られる側に、何らかの気持ちを伝えるために行われる。そして何か特別な日には、人と人の間で気持ちを伝えあうということが行われるので、結果として、贈り物は特別な日に贈られることが多い(だが、特別ではない、普通の日に贈られることもある)。
・贈り物を媒介として、前の所有者の人格や感情が伝達される。
・友情や信頼の持続性を表明するため、お返しには一定の間隔をおく。
・贈り物では、交換価値(例えば金額換算)という思考が通常は排除される。
・経済人類学における贈与「贈与 (経済人類学)」
贈与経済(英語:gift economy)または贈与文化(英語:gift culture)は、人類学的にみて価値ある物が、売られるのではなく、報酬に関する明示的な合意なしに贈られる、交換システムの一形態を指す。
贈与文化における贈り物(gift)の贈与は、社会規範と慣習によって規定される。互酬性(reciprocity)がある程度期待されるものの、贈与は、金銭やその他の財・サービスとの明確な交換として行われるわけではない[2]。これは、物やサービスが受け取った価値(value received)と明示的に交換される物々交換経済や市場経済とは対照的である。
引用サイト:Wikipedia
「贈与」というと、大きな財産の移動や相続のイメージがあるかもしれませんが、実は私たちの日常生活のなかにもたくさんの「贈与」がある。
1. 贈与税がかからない、一般的な「贈与」
これらは、法律上は贈与ですが、「社会通念上相当と認められるもの」として、基本的に贈与税はかからない。
| 贈与の種類 | 具体的な例 | ポイント |
| 生活費・教育費 | 我が子や孫に渡す学費、仕送り、食費など | 必要な都度渡し、すぐに生活や教育のために使われることが条件。貯蓄に回すと課税対象になる場合がある |
| お祝い金 | 結婚の御祝儀、出産祝いなど | 社会通念上常識的な範囲の金額であることが条件。あまりに高額だと課税対象になる可能性がある |
| 季節の贈答 | お年玉、お中元など | これも「社会通念上相当と認められるもの」として非課税である。ただし、お年玉という名目で年間110万円を超えるなど、金額が常識の範囲を大きく超えると課税対象になりえる。 |
| お小遣い | 日常のちょっとしたお小遣い | 年間で受け取った総額が、後述の基礎控除額を超えなければ問題ない |
2. 計画的に行う「贈与」(税金が関わる可能性が高いもの)
こちらは、税金を意識して行う、まとまった財産の贈与である。
| 贈与の種類 | 具体的な例 | ポイント |
| 暦年贈与 | 毎年、現金を110万円以下ずつ渡す | 贈与税には年間110万円の基礎控除があるため、一人当たり1年間にもらった財産の合計が110万円以下であれば、贈与税はかからない |
| 不動産の贈与 | 親が子どもに自宅や土地を譲る | 不動産の評価額に基づいて贈与税がかかります。ただし、夫婦間での居住用不動産の贈与など、非課税になる特例もある |
| 教育資金の一括贈与 | 祖父母が孫の教育資金として、まとまったお金を専用口座に一括で入れる | 孫一人あたり最大1,500万円まで非課税になる特例(期限付き)がある。金融機関での手続きが必要である |
「贈与」はモノやお金以外にも
時間・体験の贈与: 誰かのために時間を割くこと(ボランティア、介護、育児など)、食事をおごること、旅行をプレゼントすることなど。
•感謝の気持ち: お中元やお歳暮のように、経済的な価値だけでなく、人間関係や気持ちを循環させるための贈与という側面もある
贈与経済:「見返りを求めない行為(ギフト)」の価値を可視化し、循環させること。
大事にしたいこと(幹):
「見返りを求めない行為(ギフト)」の価値を可視化し、循環させることで資本主義の「交換・対価」とは違う、「共感・信頼・関係性」を軸にしたサービスをつくる。
「そのモノがもたらす体験や気持ち」=非金銭的価値の流通を贈与の核にする。
• 💐お花: 「美しいものを見る癒やし」の贈与
• 💄コスメ: 「新しい自分に出会うワクワク感」の贈与
etc…
提案アイデア1:💐
身近な「恩送り」と「共感」の可視化
地域密着型「ペイ・フォワード(恩送り)お花屋さん」アプリ
ターゲット: 地域住民、お花屋さん
コンセプト: 「誰かの優しさ」をデジタルでつなぎ、次に来る人に届ける。
| 機能 | 概要 | 贈与経済への貢献 |
| デジタル保留ギフト | 利用者が会計時に、自分の代金だけでなく、次の誰かのためにお花1本分(例:300円)をアプリ内で「保留(ペイ・フォワード)」する。 | 経済的な負担なく、贈与の行為を体験できる。「誰かの優しさ」という目に見えない財産を店舗を通じて循環させる。 |
| ギフト利用通知 | たまたま訪れた人が「保留フラワー」を利用すると、贈与者に匿名で「あなたのギフトが利用されました」と通知が届く。 | 贈与(ギフト)が成立したことを可視化し、自己肯定感や貢献感を満たす。 |
| お店のストック表示 | アプリ上で「現在保留中のフラワー:あと4本」のように、コミュニティの"優しさのストック"をリアルタイム表示する | 「優しさ」という共通の財が可視化され、連帯感や安心感を醸成する。 |
提案アイディア2:💐
「見知らぬ人へ贈る癒やし」のチェーン
サービス名(例): 「#街角に咲く優しさ」アプリ
コンセプト: 購入者が、自分以外で「今、誰かのお花で癒やしを必要としている人」に、匿名で花を贈る権利をギフトする。
| 機能 | 概要 | 贈与経済への貢献 |
| 匿名「1輪ギフト」の購入 | ユーザーが、レジやアプリで「一輪ギフト(500円など)」を購入する。この花は自分ではなく、地域で指定された人に贈られることになる。 | 不特定多数への匿名的な「優しさの贈与」。見返りを求めない行為が、地域全体への信頼感につながる |
| 「癒やし」の利用シーン | 連携する地域の病院、介護施設、学校の先生、一人暮らしの高齢者など、「癒やしや感謝が必要な場所」の担当者が、匿名ギフトのプールから一輪花を引き換え、実際にその花を飾ったり、手渡したりする。 | 贈与の目的を「純粋な癒やしや共感」に設定することで、金銭の交換ではない価値を生み出す。 |
| 優しさの報告 | 花が飾られた場所の写真やメッセージ(個人情報は特定しない)が、アプリのタイムラインにアップロードされる。「〇〇町の病院に、あなたの優しさで花が飾られました」 | 贈与の「結果」を可視化し、贈与者に貢献感や充足感をフィードバックする。 |
提案アイディア3:💄
「トライアルの連鎖」による共感コミュニティ
サービス名(例): 「Beauty Chain(ビューティー・チェーン)」
コンセプト: コスメの「サンプル」や「使い切りアイテム」を、次に試してみたい人に無料で贈る権利をギフトする。
ターゲット:コスメがすき、チャレンジしたい、プレゼントしたい、自分の好きな自分になりたい
| 機能 | 概要 | 贈与経済への貢献 |
| 次の人へのお試しチケット | ユーザーがコスメを購入する際、メーカーから提供された「お試しサイズ無料チケット」を、友人やフォロワーではなく、コミュニティ内の見知らぬ人に贈る権利を購入(または無料で取得)する。 | モノの消費だけでなく、「新しい体験」を贈与の対象とする。メーカーも在庫やプロモーションを贈与経済に取り込める。 |
| 共感マッチング | ユーザーが自分の肌質や悩みを登録しておくと、「私と同じ敏感肌の人へ」「私と同じニキビに悩む人へ」といった形で、贈与先を悩みベースで限定できる。 | 匿名的な贈与の中に「共感」という情緒的な絆を持たせ、贈与の質を高める。 |
| 連鎖のストーリー | ギフトを受け取った人がそのコスメを試した後、「私にも効果がありました!」「次は乾燥肌の誰かに贈ります」と次の贈与を宣言し、連鎖のストーリーを共有する。 | 「受けた恩を返す」という義務感ではなく、「恩を他者に送る(ペイ・フォワード)」という文化を創出する。 |
荒谷 大輔(あらたにだいすけ)氏:慶應義塾大学文学部教授、江戸川大学名誉教授。専門は哲学/倫理学。
現代の私たち「お金がなくては生きられない」「孤独感」「物価高」「誰にも迷惑がかけられない」→自由競争をベースとした資本主義が当たり前
❓でも本当にそうなのか❓
資本主義は300年前から始まった→人類史から見ればほんの一瞬ではないのか
対面での対話や贈与のつながりを再評価される中、贈与経済をアップデートし、誰もがアクセスできる新しい経済を始める試み(贈与経済2.0)
贈与経済...人と人との関係性の中で、お互いに何かを贈り合う経済活動。その関係に依存して生きること。
資本主義が導入された後も、社会の中で並行的に私たちは行なっている。
例:接待をする側が「こちらの支払いは我が社が持ちます」と言うやり取りはよくある。それは良好な取引を続けたいという期待があるから贈与をするという関係性言える。
❓なぜ資本主義が広まったのか❓
贈与経済には、贈与の負債感を利用して身分制のような関係を「フェア」とするような側面があったが、そこにお金を持った市民層が台頭してきた。
そこに私的所有権をベースにしたボトムアップの「正しさ」が立ち上がった。
つまり上に立つ人がすべて正しいのではなく、みんながフェアに競争していくなかに正しさがあるということ。ちょうど王政への不満が集まっていたところだったので、「まさにそれです」みたいな感じでみんなが飛びついたのではないだろうか。
アダム・スミスは「神の見えざる手」により、社会がしあわせになると考えた。
自由であることもみんなの意見が尊重されることも大事だと感じるが、『諸国民の富』から250年ほど経った今、「資本主義の限界」がいわれている。
そこで贈与経済自体をアップデートしないといけない。
「贈与経済のグローバル化」と言っているのですが、ローカルにとどまっている贈与経済をテクノロジーで「贈与経済2.0」にアップデートし、グローバル経済として成立させることを提案する。
資本主義経済を完全に否定するものではなく、もう1つの柱とするということ。
Point
1.贈与経済はお金より前からある人間の営み
2.贈与経済は見返りを求めるものでない
3.資本主義で自由と私的所有が広まった
4.資本主義の市場原理で近代化した
5.贈与経済にも資本主義にも課題がある
6.贈与経済2.0でお金に縛られない世界を
7.贈与経済は負債感で束縛する
8.贈与経済2.0のインセンティブは関係資本
9.贈与が合理的な行為になる
10.記憶は意味づけに影響される
11.ブロックチェーンで純粋な贈与を記録
12.本来の贈与は閉じてた関係性
13.欲望に基づいた仕組みで世界を構築
リンク1(前編):https://unique.kaonavi.jp/2661/
リンク2(後編):https://unique.kaonavi.jp/2671/
今後の計画
・贈与経済が広まる一歩になるようなサービス作りを検討する方針に
・身近にある贈与を調査し収集、のちに冊子にし作品にする
・贈与経済が広まるサービスの中の一つにコスメを組み込む方法も検討
プチプラ(Petit Price / Petitpura):フランス語の「petit(小さい)」と英語の「price(価格)」を組み合わせた和製英語で、お手頃価格を意味する。
「安くて優秀」「安くてかわいい」プチプラコスメの最大の特徴を表す言葉。
デパコス(デパートコスメ):プチプラコスメと対比される言葉で、デパートで販売される高価格帯のコスメを指す。
1.既存の金型を使うから安くなる
•化粧品のボトルやチューブ、ケースなどは「金型」で作られる。
•金型を新しく作るのは数百万円〜数千万円かかることもあるため、多くのブランドは工場がすでに持っている「汎用パッケージ」を選ぶことで、その結果、他社製品と形が似ることが多い。
2.大量生産でスケールメリット
•人気のある形状やサイズは大量に生産されるので、単価が下がる。
•特にOEM(他社に製造を委託する方式)の場合、工場が「このボトルなら安く作れます」と提示してくれることが多い。
3.消費者にとって分かりやすい形
•例えば、リップスティックの形は世界中でほぼ同じ。
•「見ただけでどう使うか分かる」パッケージが採用されやすいので、結果的に似てくる。
4.差別化は装飾や印刷で行う
•ボトルやケースの「形」は同じでも、色・ロゴ・質感(マット/光沢)・ラベルのデザインでブランドらしさを出しています。
似ているのは「コストを抑える」「ユーザーにわかりやすい」「製造効率がいい」という合理的な理由が大きい▶︎完全オリジナル形状を作っているブランドは、その分コストをかけて「ブランドアイコン化」を狙っていると考えられる
サイト1:
https://www.chinoshiosya.com/news/feature/oem-cosmetics-how-much-cost/?utm_source=chatgpt.com
サイト2:
https://www.berry-b.jp/package-library/oem-cosmetics-cost/?srsltid=AfmBOop4pKomHVhKvOqau_FSDeSE6w_lywE-zCATKZYwKcvwh1PLpdJq&utm_source=chatgpt.com
サイト3:
https://www.mylotcosme.com/manufacturing-cost-breakdown/?utm_source=chatgpt.com
サイト4:
https://chariteslab.co.jp/cosme-lab/c-cosme/lab2024013.html?utm_source=chatgpt.com
サイト5:
https://ishido-glass.co.jp/igjournal/98?utm_source=chatgpt.com
あつまれどうぶつの森... Nintendo Switch用ゲーム。
無人島で暮らしながら、魚釣りや虫取り、家具集め、島づくりを楽しむ 生活シミュレーションゲーム。
紹介サイト>https://www.nintendo.com/jp/switch/acbaa/guide/index.html
スプラトゥーン... Nintendo Switch用ゲーム。チーム対戦型アクションシューティングゲームであり、インクを撃って地面を塗り合い、陣地を取り合う。
紹介サイト>https://www.nintendo.com/jp/switch/av5ja/world/index.html
| 観点 | あつ森 | スプラトゥーン |
| ペルソナ | 癒しや自己表現を求める幅広い層 | 競争、爽快感を求めるアクティブ層 |
| ジャーニーの時間軸 | 長期・日常型習慣 | 短期・瞬発体験型 |
| UXのゴール | 私の世界を作る | 仲間と勝つ・逆転の快感 |
| 感情設計 | 安心・没入・達成感 | 緊張・興奮・勝利の喜び |
| ソーシャルUX | 見せ合い・共有 | 協力・競争 |
あつ森は「生活の中に溶け込む日常UX」
スプラトゥーンは「短時間で高揚する瞬間UX」
「幅広い層が自然に楽しめる」ような設計になっているが、「どんな感情を中心に据えるか」でUXデザインが正反対になっている。
| 観点 | あつ森 | スプラトゥーン |
| ターゲット | 幅広い層 | 若年層 |
| 拡散戦略 | SNS映え | フェス・イベントで話題化 |
| ブランド感 | 癒し・かわいい・生活の延長 | POP・クール・ストリート |
| マネタイズ | 本体・継続的なアプデ | 本体・有料ダウンロード |
| 社会現象化 | コロナ渦でおうち時間需要を独占 | 若者文化として根付かせeスポーツ的展開 |
あつ森は「日常に溶け込むブランド体験」
スプラトゥーンは「若者文化と競技性」を前面に出し、コアファンを熱狂させる。
まとめ
どちらも「UX」と「マーケティング」が一体になっていて、
UXの特徴(癒し/爽快・競争)をそのままマーケ戦略に反映している。
今日の授業で
今の時代は、競走時代で、仲間達と競い合うことが多い(成績、企業の中で
そんな中、あつ森は捕狩、スプラトゥーンは仲間達と勝つ、というかつての「狩猟採集時代」を連想させる。
「狩猟採集時代」は自ら食料を取りに行ったり、寝床を作ったり、自給自足だった時代であり、仲間たちと得意分野を生かし合い、仲間達と協力して日々を送っていた。(=協力する=感謝し合う=自己肯定感が上がる)
このゲームらは、今に欠けている要素が多々盛り込まれていることこそが、人気ゲームになっている理由とも言えるのではないか。
贈与経済(ギフトエコノミー)
人が人へものを渡す、サービス提供の時「これは贈り物である」という意識をもつことで、モノやサービスが流通していく経済システムである。
根幹として、見返りを求めずに何かを与える行為(例:おすそわけ)がある。
リンク1:バレンタインは日本の独自の贈与文化の表れ?
リンク2「借りたものは、すぐ返さなくていい」 “贈与”は人と人をつなぐツールだった:文化人類学者・小川さやか
マルセル・モースによる贈与論
・全体的社会的現象
モースは本書で「全体的社会的現象」をテーマとした。(全体的社会的現象:社会集団の宗教的、法的、倫理的、審美的、政治的、経済的な側面が一気に表れる現象で、いずれか1つには還元できない)。そうした全体的社会的現象として、モースは贈与と交換による全体的給付の体系を取り上げ、モースは全体的社会的現象が社会制度を活性化させると考えた。
・贈与の義務
1. 与える義務:与えるのを拒んだり、招待をしないのは、戦いをするに等しい。ヨーロッパの伝承にもあるように、招待を忘れると致命的な結果となる。
2.受け取る義務:贈り物を受け取らなかったり、結婚によって連盟関係を取り結ばない、といったことはできない。受け取りを拒むのは、返礼を恐れているのを表明することにもつながる。
3.返礼の義務:この義務を果たさないと、権威や社会的な地位を失う。権威や社会的地位が財や富に直結する社会では、返礼が激しい競争をもたらす場合がある。
| モースの贈与論 | 意味 |
| 与える義務 | 関係を作る |
| 受け取る義務 | 関係を認める |
| 返す義務 | 関係を続ける |
・贈与と霊的な力
モースは、贈り物は人に対してでありつつも、神々や霊、自然の存在を念頭になされている点を指摘。
この世にある物の真の所有者は神々や霊であり、したがって交換が必要な相手、交換が危険な相手、そして交換が容易な相手も彼らだという思想にもとづく。モースはこの点を契約=供儀(神仏や祖先などの霊的存在に、食物や動物などを捧げる宗教的な儀式のこと)につなげて考察。
結論:モースは全体的給付を現代に活かす意義について考察している。また、全体的社会的現象が社会制度を活性化させると考える。
贈与=社会のつながりを作る魔法の仕組みなのでは?
等価交換=対価さえ払えば、その人自身については問われない
(コンビニでのレジ会計など、物資をお金で買う=そこで関係が終わってしまう)
→本当の『交換』とは、アンバランスなものである。
見返りを求めずに何かを贈ったり、譲ったりすることで、人のつながりを回復し、心の充足を図ろうという贈与論が、改めて注目されているのではないのか?
参考リンク
贈与論ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B4%88%E4%B8%8E%E8%AB%96
私たちはなぜ贈るのか? 「贈与」を哲学する7つの問い。:https://fin.miraiteiban.jp/okuru03/
コスメ×贈り物(母の日)×化粧品の事例
ポーラ母の日
人間には生まれながらにして自然とのつながりを求める本能があるとする考え方である。
この概念は、UXデザインや建築、教育、心理学など様々な分野に影響を与えている。
| 分野 | 応用例 |
| 建築 / インテリア | 「バイオフィリックデザイン」:自然光、木材、植栽を取り入れた空間づくり(例:オフィス、病院、学校) |
| 教育 | 森のようちえん:自然体験学習による自己効力感・社会性の向上 |
| 医療・福祉 | 病室から自然が見えるだけで回復が早くなる |
| UX / UIデザイン | 自然の色・形・動きを模倣した癒し系アプリやプロダクト |
提唱者:
エドワード・O・ウィルソン(Edward O. Wilson)
1984年に著書『Biophilia(バイオフィリア)』で提唱。
仮説:
人間は進化の過程で自然の中で生き延びてきたため、動植物や自然環境に対して生得的な愛着・関心・安心感を持っている。
背景と根拠:
1. 進化心理学的根拠
長い人類の進化史の中で、自然環境(植物、動物、水、風景)に注意を向けることは生存に不可欠であった。
etc)水がある場所を好む → 生存に必要な水源を確保する本能
2. 神経科学・生理学の研究
緑の多い場所にいるとストレスホルモン(コルチゾール)が減る。
森林浴によって副交感神経が優位になり、リラックス効果がある。
3. 行動観察・文化的証拠
世界中の文化で自然のモチーフ(木、花、動物)が美術・装飾・宗教に登場。
多くの人が自然の中で癒やしや回復を感じると報告。
具体例:
1. Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)|シアトル(https://www.aboutamazon.jp/news/amazons-offices/office-tour-seattle-the-spheres)
屋内オフィスに3万種類の植物を配置した温室型のワークスペース。
ストレス軽減・創造性向上を目的に設計。
(自然光、植栽、滝の音など五感への訴求)
2. Singapore’s Gardens by the Bay(https://www.visitsingapore.com/ja_jp/see-do-singapore/nature-wildlife/parks-gardens/gardens-by-the-bay/)
都市部にある広大な自然庭園。
巨大人工樹「スーパーツリー」によって自然とテクノロジーが融合。
(都市スケールでの自然との共存デザイン)
3. Pasona Group 本社(東京)(https://pasona-nouentai.co.jp/start/content/)
オフィスビル内で野菜を栽培する「都市農業×働き方改革」。
室内農園を通じて、社員の健康・環境意識・生産性を高める。
(UX要素として、育てる→収穫→食べるという一連の自然体験。)
結論:
現代人の自然欠乏症(Nature Deficit Disorder)が問題になっている中で、バイオフィリアの視点は、都市生活やテクノロジー社会における自然回帰の道しるべとなる。
自身の考え:
・人に「自然との接点」を贈ることは、根源的な安心感・幸福感を引き出すギフトになることを再確認
・バイオフィリアは「身体的」「感情的」「認知的」なレベルでポジティブな影響を与えるため、UX設計の感情設計(Emotional Design)と非常に相性が良いと考える。
谷崎潤一郎氏による随筆「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」
『陰翳礼讃』は、日本文化における「陰(かげ)」や「陰翳(いんえい)=光と影の微妙なグラデーション」を讃えるエッセイである。
主張:谷崎は日本の美の本質が、光と影、曇りやくすみによる「曖昧で静かな美しさ」にある。
ポイント1.日本家屋と光の扱い
日本の伝統的な住まいは、自然光をやわらかく取り入れる構造で、暗がりの中に美しさを見出す。薄暗い部屋でこそ、漆器や金箔などが最も美しく見える。
2.陰翳が生む美
西洋の「明るくて白い」空間ではなく、ほの暗く曇った空間に宿る美が日本文化の特徴。たとえば、和式便所や茶室の静けさ、灯の明るさよりもぼんやりとした陰影が大切にされる。
3.近代化と西洋化への批判
電灯・洋式建築・近代的な衛生設備の導入によって、そうした日本独自の美が失われつつあることを憂う。
4.素材と美意識
紙、漆、金、木といった自然素材のくすみや柔らかな光沢は、明るさではなく陰影の中でこそ魅力を放つ。
| 「陰翳礼讃」は、日本独自の美意識、光と影、静けさ、くすみと曖昧さに宿る美を称える随筆であり、西洋化や過度な近代化によって失われてゆく「陰影の美しさ」への惜別と警鐘が込められている |
九鬼周造氏による「いきの構造」
1. 日本的美意識を哲学的に捉えた先駆的な試み
九鬼は「いき」を単なる感覚や俗語としてではなく、文化的・歴史的・形而上学的な観点から整理し、哲学的な対象として分析した。これは当時の日本では珍しく、西洋哲学の方法論(カントやハイデガー的な思考)を用いて日本独自の美の概念を探求した点が画期的である。
2. 「いき」の三要素:意気、媚態、諦め
| 意気(いき) | 品と誇りを持った態度 |
| 媚態(びたい) | 異性を意識した魅力 |
| 諦め(あきらめ) | 運命を受け入れる内面的な潔さ |
これらをもって「いき」という曖昧な美的感覚を定義づけた点が、九鬼の哲学的力量を感じさせる。
3. 西洋哲学との対話と差異の提示
九鬼は、西洋の「美」との違いを明確に意識していて、「いき」は合理性よりも情緒や空気感、関係性の中に生まれるものであると説いている。これは日本文化における「間」や「無常観」とも通じ、彼の国民文化論的な関心が見て取れる。
本文中の「軽微な平衡破却」分かりやすい解説>https://note.com/tamauzura/n/n84cbe5b72f71
中沢新一氏による芸術人類学
基礎:
対称性人類学(比較的新しい人類学のアプローチであり、人の心の働きを探求するための新しい方法)
目指すもの:
①心の働きのおおもとの部分に対称性(論理的矛盾を飲み込みながら全体的な作動を行うこと)とよばれる知性の働きを捉えることによって、宗教、経済、科学、芸術にいたるまでの広大な領域でおこっている心の活動を一貫した視点から再編成しなおす
②新しい認識が新しい生き方の創出に結びついていけるような現実の中でも効力を発揮出来る実践的なサイエンスになること
芸術:芸術家個人の幻想を越えた巨視的なビジョン
経済:贈与論的思考の復活
宗教:宗教をこえた宗教への飛躍の模索
自分の研究を見つめ直しGW
1.最終成果物の変化
以前は実際に通信販売ができるような形にWebを制作(CADも使用)のみであったが、ディスプレイデザインも含めたい
最終成果物
・プロダクト(コスメスタンド、コスメツール)
・Web(オンライン)
・ポスター🆕(オフライン)
・ディスプレイデザイン🆕(オフライン)
オンラインとオフラインでそれぞれプレゼントUXを練る
2.Web慣れるための練習
3.文庫本入手
・誘惑する文化人類学(著:田中雅一)
・芸術人類学(著:中沢新一)
そもそも、メイクをする理由とは?
❶心理的な効果を求める場合(外見をよく見せたい、自信を持ちたいetc...)
❷外的効果を求める場合(紫外線からお肌を守りたいetc...)
なぜ女性の方がメイクをする割合がおおきいのだろう?
参考文献:https://note.com/go_yo/n/nc2e244a8513b
→江戸時代初頭までは男女ともに化粧をしていた。しかし、明治時代に男性の役割(兵士として育成)、女性の役割(明確に家事や育児をするという役割)を割り当てられる過程によって、男性は兵士として外見を取り繕うことが徐々に減っていき化粧をしなくなり、女性は家事や育児をするためには男性を結婚しなければならず、外見美を求めてるため、化粧の習慣が残り、いまだに化粧をするという習慣が植えついたのだろう。
自分的素敵エピ>>[https://www.instagram.com/p/DIqsjaESSUd/?igsh=MWNmYnBvZmtuY3Znag==]
SDGs WASH:国連が定める17の持続可能な開発目標(SDGs)に取り組んでいるように見えて、実態が伴っていないビジネスのことを揶揄する言葉。
ロランバルトによる記号学:https://kotento.com/2017/08/17/post-296/
ソシュールの記号概念と聴き手の立場(著:成城大学 末永朱胤 )
:https://www.seijo.ac.jp/graduate/gslit/orig/journal/europe/pdf/seur-30-05.pdf
人類学:ヒトの生物的な側面(形質人類学)と文化的な側面(文化人類学)を総合的に研究する学問
人類学の分野---
形質人類学:遺伝子、進化、骨格など、人間の生物的な側面を研究。
文化人類学:言語、文化、社会、宗教など、人間の文化的な側面を研究。
考古学:過去の社会や文化を、遺跡や遺物を通して研究。
言語人類学:言語の構造、社会における役割、文化との関係などを研究します。
人類学の方法:フィールドワーク、観察、インタビュー、データ分析など、多岐にわたる方法を用いて研究を行う。
人類学の重要性:人類の多様性を理解することは、他者への理解を深め、共存を促すことにつながる。また、現代社会の様々な問題(貧困、紛争、環境問題など)を解決するための手がかりを見つけることも可能。