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陳嵐清/デザイン特別研究 のバックアップ(No.116)


陳嵐清

博士後期課程 デザイン特別研究


地域活性化に関わる

インタラクティブ動画の可能性

The Potential of Interactive Videos in Regional Revitalization

陳嵐清 Chen Lanqing

博士後期課程 デザイン領域 井上貢一 研究室



研究背景

 近年、ショート動画の普及により、若年層を中心として視聴行動は大きく変容した。ユーザーは多様なコンテンツへ即時にアクセスできるようになった一方、限られた時間で効率的に情報を得ようとする「タイムパフォーマンス」志向が強まり、視聴体験の質そのものが重視されるようになっている。しかし、ショート動画は形式の画一化や差別化の難しさ、広告依存によるマネタイズの制約といった課題を抱えている。受動的視聴を前提とするノンインタラクティブ動画では、理解深化や行動喚起に限界があると指摘されている。

 一方、選択や操作を介して視聴者の能動的参加を促すインタラクティブ動画は、教育やエンターテインメント分野において関与度や記憶保持の向上が報告されている。しかし、その有効性が地域PRにどのように応用可能かについては、十分に検討されていない。

 SNS とショート動画の拡散力は地域情報の可視化を促進したものの、話題性に依存した発信は観光客集中を招き、オーバーツーリズムのリスクを高める。また、断片的な情報提示は地域文化の浅い理解につながりやすく、複雑な操作や広告干渉はデジタルに不慣れな層の利用を妨げる可能性もある。

 以上を踏まえると、能動的な関与を内包するインタラクティブ動画は、地域PRにおける理解の促進や共感形成を支える新たな手法として有望であると考えられる。

研究目的

 本研究の目的は、動画視聴の主力層である20代の若年層を対象に、インタラクティブ動画の代表的な機能に着目し、視聴効果を検証することである。結果を基に地域PR動画を制作・展示し、その活用可能性を検討する。具体的には、以下の三点である。

1.機能整理

 既存のインタラクティブ動画の主要機能と構成を整理し、その基本的特徴と仕組みを明らかにすること。

2.体験比較

 実験を通して、インタラクティブ動画とノンインタラクティブ動画の視聴体験の差異を検証すること。

3.応用探索

 宗像市政府との産学官連携による地域PRプロジェクト(2023年・2024年)および2025年のWeb型インタラクティブ動画開発を事例として、制作・展示を実施し、地域PRにおける応用可能性を考察すること。

 これらを通じて、得られた知見を基に、今後のインタラクティブ動画のデザイン指針および地域PRへの展開方向を提示することを目的とする。

研究方法

 本研究では、インタラクティブ動画の地域PRへの応用可能性を明らかにするため、以下の三つの方法を採用した。

1. 調査研究

 まず、先行研究および関連文献、国内外の動画プラットフォーム事例を整理し、インタラクティブ動画の機能類型、発展過程、地域PRにおける課題を把握した。これにより、研究の理論的枠組みと評価指標設定の基盤を構築した。

2. 実験研究

 次に、「サブプロット機能」と「マルチビュースイッチング機能」を用いた2種類の実験動画を、いずれも筆者が実際に撮影した地域PR動画を基に制作した。両実験では、理解記憶度、満足度、再視聴意欲、現地訪問意欲、共有動機という同一の評価指標を用いてデータを取得し、対面実験によってインタラクティブ要素が視聴体験に与える影響を定量的に検証した。

3. 実践研究

 最後に、地方の産学連携プロジェクトにおいて、インタラクティブ動画を実際のPR施策として実装した。サブプロット型動画、360度マルチビュー動画、Web実装型インタラクティブ展示の三つの事例を通じ、実運用における利用者の反応や課題を検証し、地域PRへの適用可能性を考察した。

論文構成

 本論文は、インタラクティブ動画を地域活性化に活用する可能性について検討するものであり、序論と結論を含む全7章で構成されている。

 1) 序論
 2) 第1章 調査研究:現状調査
 3) 第2章 実験研究:実験の計画
 4) 第3章 実験研究:サププロット機能
 5) 第4章 実験研究:マルチビュースイッチング機能
 6) 第5章 実践研究:展示と応用
 7) 結論

论文结构.png





進捗報告


2025


2025.11.18


2025.10.21

論文を書いています....時間かかります

2025.10.14

2025.10.7

2025.9.30

2025.9.23(休み)

発表の準備をしています...時間かかります

2025.9.16

これらの活動は直接的には自分の研究テーマと関わりませんが、インタラクティブ動画は教育分野でも広く活用されているため、将来のキャリア(教育分野に貢献したいという目標)にもつながる貴重な経験になったと考えています。

スペキュラティブ・デザイン
2025年大阪・関西万博の「いのちの未来」石黒浩)展示は、未来50年の生活や社会の可能性を体験できる展示で、技術や社会、生命について考えるきっかけを提供しています。




アーカイブ


2025.7.14


2025.7.1

2025.6.17

現時点では、各事例の中に記述する方向で考えておりますが、全体のまとめの際に、異なる展示形式の差異については簡潔に言及する形を想定しております。
→ この考え方は妥当か、ご意見を伺いたい。

2025.5.27

2025.5.9

2025.5.2

2025.4.29


2025.4.25

2025.4.22

2025.4.15


2025.4.9



2024

2024.12.19

1.タイトル案:
サブプロット機能に関する実証研究
-インタラクティブ動画とノンインタラクティブ動画の比較 ⅠI
マルチビュースイッチング機能に関する実証研究
-インタラクティブ動画とノンインタラクティブ動画の比較 I

がxxxにもたらす効果

2.考察と今後の展望(マルチビュースイッチング機能)
進捗確認
投稿論文
3.フォーマット(マルチビュースイッチング機能)
投稿フォーマット

4.参考文献と脚注の書き方
p12(1ページ) pp12-13(2ページ以上)
立命館大学
新潟大学
大阪大学
5.優先順位
1.マルチビュースイッチング機能>全体仕上げ
・先行研究・関連研究に関する記述を充実
・5つの評価指標がマーケティング用語(AIDMA等)から導き出される経緯
・「地域PRへの応用」という目的、評価指標がマーケティングの用語から導かれたこと、特に評価指標の「現地訪問意欲」については、それを直接的に計測しているなど、実験計画自体が地域PRという目的から導かれているので、その点の整合性を図ることが必要ですが、実験の方法・結果の部分については、純粋に「インタラクティブとノンインタラクティブの比較」に焦点をあてること

2.サブプロット機能>修正(あらすじ、表現、図表など)
3.画面上の情報探索の実験?サブプロット追加実験?
都市道路、学校、公園(シーンランダム化)
(1)サブプロット
PC 48人(男女数違う) 教室 同時開始 一回のみ
(2)マルチビュースイッチング
タブレット 40人(20男20女) 研究室(個別) 繰り返すok 途中退出ok
(3)画面上の情報探索
スマートフォン 50人  場所制限ない(日常使用習慣に満たす、アンケート選択肢を作る)  繰り返すok 途中退出ok

(また考えています…)

2024.12.12

自律分散協調
ツリー、セミラティス
1.核心理念
日本:文化の継承と地域住民の参加を重視し、伝統文化の保護や住民同士の協力を通じて地域の活性化を目指す。
中国:経済成長と大規模開発を中心に据え、インフラ整備や市場メカニズムの活用により地域振興を推進する。

2.実施の特徴
日本:地域住民と地方自治体が協力して進める「自下からの取り組み(ボトムアップ型)」。小規模ながらも丁寧に作り込まれたプロジェクトが多く、長期的な成果を目指す。
中国:政府主導の「自上からの取り組み(トップダウン型)」。大規模で迅速に進められる一方、地域住民の参加意識や主体性がやや不足する場合がある。

3.技術の活用
日本:実用性を重視した必要最小限の技術利用が特徴。

情報案内:地域専用の案内アプリを開発し、観光ルートの提案や多言語対応を提供。
IoT導入:道の駅などで電子決済や物流システムを活用し、利便性を向上。
デジタルプロモーション:SNSやシンプルなウェブサイトを使い、地域の特色を的確に発信。
→ 技術は「小規模で実用的」な範囲に限定されている。
中国:最新技術を幅広く活用し、地域の魅力を迅速かつ大規模に普及。

短編動画やライブ配信:抖音(TikTok)や快手といったプラットフォームで観光地や地域を宣伝し、大量の観光客を誘致。
EC・ライブコマース:農産物や特産品を販売し、地域経済を直接的に活性化。
ビッグデータ分析:ユーザーの嗜好を解析し、パーソナライズされた広告やプロモーションを展開。
→ 技術は「規模拡大と収益向上」を重視している。
4.課題と将来の方向性
日本:地方の人口減少と高齢化が進行しており、特に若者を地域に呼び戻す取り組みが課題となっている。
中国:観光地やプロジェクトが「形だけ」になりやすく、文化的な深みや独自性が不足している場合がある。

2024.12.5

1. 論文の進捗
執筆中>12月 芸術工学会
2. 宗像プロジェクトの中間報告
アクリルなどの絵具>購入?研究室?
3. ワークショップへの参加とリソースの活用
NPO法人「九州コミュニティ研究所」>12月7日 参加予定

マルチビュースイッチング機能の実際応用と効果

ホテルと提携し、360度カメラを使用してホテルの外観、ロビー、客室、レストランなどのシーンを撮影し、動画に専用の割引コードや予約リンクを組み込むことで、宿泊客のフィードバックデータを収集します。
コラボのホテル >10/23面談


1. 専用の割引や予約リンク
動画内や動画コメント欄に専用割引コードや専用予約リンクを表示し、そのコードやリンクを通じて予約したお客さんに特典を提供する。
独自の割引(例:宿泊料金の割引や無料の朝食)を設定する
割引コードを使用して予約が完了すると、そのコードの使用状況がシステムに自動的に記録される。このデータは、ホテルの予約システムに反映される。


2. フィードバックアンケート
ホテルの予約時やチェックイン時に、簡単な質問を追加する。「どの方法で当ホテルを知りましたか?」といった質問を設け、選択肢に「インタラクティブ動画」を含める。
ホテルのオンライン予約ページやフロントにて、簡単なアンケートを設置する。お客さんが予約時またはチェックイン時に回答できるようにする。
このアンケートの回答データを定期的に収集し、動画の再生数データと照らし合わせて分析する。

マルチビュースイッチング機能の比較実験 >済み, 2024第五支部発表予定

実験内容

Arduino+Processing

Arduino+Processing

Arduino(Ultrasound)+Processing


Unity

Unity+動画+選択


Arduino


展示参考(インタラクティブデバイス)

タッチ

ジェスチャー




展示と応用

インタラクティブ動画を通じて、高齢者や障害のある方々が旅行を体験することで、身体的な制約があっても世界の美しさを感じることができる。

「いつかあなたもその少数派になるかもしれないから、周縁に位置する人たちのニーズを大切にすべきです」

VRやAR(Apple vision)
Apple vision
ARやVR技術を導入し、来場者がスマートデバイスやVRヘッドセットを使用して、よりリアルな仮想空間を体験できるようにすることで、インタラクティブ性と没入感を高める。
2024.7.11 Apple Tenjin 体験済み


赤外線(ジェスチャー認識)
従来のマウスクリックの代わりに赤外線センサーを導入し、来場者が手や体の動きで選択や操作ができるようにすることで、ユーザー体験の直感性とスムーズに向上させる。

赤外線.png



多感覚体験
香り、触覚など、複数の感覚を取り入れることで、来場者が視覚や聴覚だけでなく、さまざまな感覚を通じてインタラクティブ動画コンテンツを楽しむことができるようにする。

多感覚体験.png


マルチビュー機能

2024年度宗像「まちプロ」>採択された
サイクリング + 360度カメラ

論文投稿

日本デザイン学会 2024 春季大会(全国)

芸術工学会

卒業論文執筆

芸術工学会 2024 秋季大会(全国)検討中

日本デザイン学会(第5支部)

2023

日本デザイン学会 2023 春季大会(全国)

日本デザイン学会 論文投稿

日本デザイン学会 第5支部 発表会

芸術工学会 2023 秋期大会(全国)




2022

日本デザイン学会第5支部 研究発表


日本デザイン学会 秋期大会 参加

https://sites.google.com/zokei.ac.jp/jssd2022fa/home

日本デザイン学会 春季大会 参加

https://confit.atlas.jp/guide/event/jssd69/top

2021


論文構成の確定

論文データ作成

先行研究、関連研究の調査

日本デザイン学会 第5支部 学会発表

博士研究着手の前提として、修士研究の成果を報告(非会員として)

インタラクティブ動画の現状調査 (中国、日本)


日本デザイン学会関連論文の収集


日本デザイン学会入会