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山田洸太/デザインB のバックアップ(No.10)


規則性と違和感による印象の変化


キーワード

背景

  1. 社会の高解像度化
    近年、技術の進歩により、映像や写真、オーディオの高解像度化が進んでいる。これは、実際の映像や音を忠実に再現する画期的な技術である。しかし、この高解像度化の反動として、フィルムカメラやコンデジ、レコードなどの低解像度の媒体が再び注目されている。最近、若者の間で頻繁に使用される「エモい」という言葉が象徴するように、現代の情報に溢れる社会に疲弊した人々がノスタルジア的な感情によって得られる安心感や温もりを求める傾向がある。
    さらに、社会の高解像度化を語る上で欠かせないものとして、SNSが挙げられる。SNSによって、ユーザーは私生活や思想を簡単に発信できるようになった。これも一種の高解像度化であると考える。近年では、自分自身と他人の比較によって気疲れする人が後を絶たず、デジタルデトックスという言葉が生まれるほど深刻な社会問題となっている。
  2. 過剰なほど規則的な建築
    現代のビル建築は左右対称や規則的なデザインが主流となっているが、これは西洋文化の影響を受けたものであり、明治時代以降の日本の近代化が背景にある。例えば、東京駅や門司港駅などの建築物には、古代ギリシャのシンメトリー美学が反映された建築である。
    しかし、過度な規則性は、美しさの範疇を超えて、単調さや気味の悪さといったネガティブな印象を与えるといった側面も存在する。その中でも、ビルの「窓」は、その形状や配置によって建築の印象を大きく左右する重要な要素である。また、現代の規則的な都市は、過剰な規則や暗黙のルールによる息苦しさを反映しているようであると私は考えた。

目的

  1. 社会の高解像度化へのアンチテーゼ
    映像素材にエフェクトを加えることで抽象的な映像にし、情報の解像度を下げることで、現代の高解像度社会に対するアンチテーゼを表現する。
  2. 窓の規則的な配置の活用
    窓のガラス部分に映像を合成し、規則的な部分と自然物の対比や融合を表現することで、現代社会の息苦しさを感じさせるデザインに対する新たな視点を提供する。

コンセプト

  1. 情報の解像度の抑制
    高解像度社会に対するアンチテーゼとして、合成する映像素材にはエフェクトを加えることで抽象的なものにする。
  2. 規則的な窓の配置と自然物の対比
    窓の規則的な配置を活かし、ガラス部分に自然物の映像を合成することで、規則と自然の対比と融合を感じさせる作品を制作する。

アウトプット

2024.05.22

メモ

2024.05.08

試作

2024.05.06

アイデア

ビルの窓を額縁・フレームのように表現する。


① 一つの窓に限定

② 複数の窓で構成

参考