デザイン領域 井上(友)研究室 二宮龍之輔
公衆トイレは公共の場である一方で、密室空間という異質な特性を持っている。その特異性から人は、人に見られていたら取らないような行動を、罪悪感もなく取ってしまいがちである。例えば個室内での長時間のスマホの操作や、女性であれば化粧など、個室の外で人が待っているかもしれない状況の中で自分のことを優先して考えることがある。
外で待っている人が、個室内にいる人に伝えられるコミュニケーションといえば「ノック」くらいなものである。羞恥心を犠牲にすれば「早くしてください!」などと伝えることができるかもしれないが、それは現実的ではない。さらにいえば、外国人観光客が増加する昨今では、非言語的なコミュニケーションが必要となってくるだろう。
公衆トイレと中にいる人の状況(感情)を双方に伝えることを目的とする。
イメージ映像※体調不良により撮影困難
イメージ画像
4/16:テーマ発表
4/23:調査報告
4/30:試作
5/7:制作
5/14:制作
5/21:発表
感情の視覚化において公衆トイレをテーマとして取り上げた理由は、公衆トイレという場の特異性に着目したためである。
公衆トイレは公共の場である一方で、個室空間という少し変わった特徴を持っている。多くの人が利用する場所でありながら、一度個室に入って扉を閉めて仕舞えば自分だけの空間となってしまう。そうした公共性の中の自分だけの空間という状況が人間の心理に影響を与えることがわかっている。
具体的には、以下のような事例が挙げられる。
・家のトイレよりも多めにトイレットペーパーを使ってしまう
・タバコの吸い殻やゴミをトイレに流してしまう
・外で人が待っているのにゆっくりスマホを見てしまう
・同様な状況で個室内で化粧をする
以上の事例において真に問題となるのが、当人にあまり罪悪感がないということである。
それは、待っている人の状況を個室内の人は知り得ないこと、逆に個室内の人の状況を待っている人は知り得ないことが要因となっている。
このような状況を改善するためにも、外で待っている人は個室内の人の感情を知ることができ、個室内の人は外で待っている人の感情を知り得る環境を作ることに意味があると考えた。
ちなみに顔や身体は見えない状態で感情だけが見えるというのが、この公衆トイレにおける感情の視覚化の最大の利点である。
(以下記載途中)
4/16:テーマ発表
4/23:調査報告・写真の撮影及び選択
4/30:アンケート結果の共有
5/7:ゲームプレイ
5/14:制作及び研究のまとめ
5/21:発表
別にアナログにこだわったゲームでなくとも良いのではないだろうか。
複数人が写真に対して抱いた感情の主観的評価に対して、他者がどのような評価をするのかを知るための研究であり、主観的評価と他者の評価が結びついた場合に写真やグラフィックスに対して人が同様の感情を抱くという示唆が確証に近づくこととなる。
今後の展開として、この視覚的印象と感情の結びつきを応用した感情の視覚化であったり、同様の研究を「音」や「匂い」などで行うことでより解像度の高い感情の情報化ができるのではないか。
人類は時間というものは、もともと神の所有物であると考えていた。そのため、自分たちの力で可視化することはできないと思っていたが、メソポタミア文明が発展した際に、農耕を行う上で、収穫の時期などを判断するため、一年の巡りを紐解き、それに付随して時間を発見した。
当時は「日時計」を最初の時計として発明し、1日のうちに日が出ている時間を計測する手段を得た。しかし、これは曇りや雨の日には時間が測れず、何よりも夜間の時間を判断することができなかった。
そこで人類は「水時計」を発明した。水瓶の中に水を入れ、小さな孔を開けて、水が落ちる時間で時を測るというものである。これによって夜間の時間を測ることができるようになったが、あまり長い時間を計るのには適さず、蒸発の関係や、孔が段々と汚れたり劣化したりと、正確な時間を計るのも困難を極めていた。特に寒冷地では水が凍ってしまうために利用できなかった。
次に「火時計」が発明された。この火時計では線香や縄を用いて、燃焼する時間で時を測ったり、油に紐をつけ、油が燃焼し切るまでの時間で時を計った(ランプ)。前者の線香では、時を計る以外に良い香りがするということから、花街の置き屋などで用いられた。後者のランプは夜に重宝された。夜は神に変わって悪魔が支配すると考えられていた時代には、人々に暖と安らぎを与えた。しかしこの火時計も、周辺の環境によって燃焼時間に差があったために正確性という点には欠けており、長い時間を計ることにも適さなかった。
その次に馴染み深い「砂時計」が発明された。この時期はおそらく13世紀ごろとされている。理屈としては水時計に類似したものがあるが、この砂時計の利点として、砂が落ち切ってもまたひっくり返せば継続して時間が測れること、周辺環境に左右されないため、寒冷地や湿気の多い地域でも利用できたことが挙げられる。そのため、航海用の船の時計として18世紀ごろまで活躍した。ちなみに島根県太田市仁摩町の仁摩サンドミュージアムには世界最大の砂時計があり、一年の時間を計れる。
他にも「花時計」というものがあり、これは自然を活用した時計の中でも特に美しいとされている。理屈は花の開花時間によって時刻を判断するというものである。最も有名な花時計として1750年ごろにスウェーデンの植物学者カール・リンネが作ったものがあげられる。その際に選んだ草花は、6時に咲くオウゴン草、7時に咲くセンジュギク、8時に咲くヤナギタンポポ、9時に咲くノゲシ、10時にしぼむヤブタビラコ、11時に咲くアマゾンユリ、12時に咲くトケイソウ、13時にしぼむチャイルディングピンク、14時にしぼむルリハコベ、15時にしぼむホークピット、16時にしぼむセイヨウヒルガオ、17時にしぼむシロスイセン、18時に咲くオオマツヨイグサであった。実際の時間との誤差は30分以内であった。
このように、自然のリズムを応用した時計には一長一短あった。そのため、人類は必要は時にいつでも時間がわかる時計を作ろうとした。これが機械式時計の始まりである。人類初の機械式時計は中国の水運儀象台だと言われており、11世紀後半に作られている。〜〜〜
と言ったように、人類はさまざまな自然現象を利用し、時間という見えないものを視覚化していったことが伺える。少なくとも紀元前4,000年前には最初の時計「日時計」が発明されたと言われており、人類が初めて機械式時計を発明した11世紀まで実に5,000年ほどを要していることになる。それほどまでに困難であったにも関わらず、人類は時間を視覚化することの重要性を感じ続けていたことが伺える。
感情は視覚化することができるのか(仮)
今の社会ではSNSやオンラインで人と接する機会が増えたため、感情的な要素を抑えて人間関係が構築されていることが増えているように感じる。
実際のところ、人と対面で接していても相手の感情はわからないことが多い。
元々「見えないもの」であった時間や温度、速さや音が視覚されている状況から、感情にも同様に視覚できる可能性があるのではないかと思い、このテーマに至った。
考え中(映像か写真を用いたものになりそう?)
4/16:テーマ発表
4/23:調査報告
4/30:試作の報告
5/7:完成作品の報告
5/14:アンケート調査の報告
5/21:発表