第1回 ガイダンス
井上 貢一|ソーシャルデザイン学科
2024.04.08
AIと社会 第1回 コメント投稿
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受講生の方の受講環境、各種ツールの利用経験についてお尋ねするとともに、以下の設問を設けていますので、コメントをお願いします。
あなたの身近にあるAI について、 その名称、機能を概説するとともに、 それに対してあなたが感じていることを200字程度で語って下さい。
科目概要
当科目は、複数の学部の専任教員と外部講師の方とのコラボレーションによって実施されます。授業回によって講師・実施形態が異なりますので、このサイトのアドレスをブックマークするとともに、事前にトップページの「お知らせ」を必ず確認するようお願いします。
https://vision.ip.kyusan-u.ac.jp/aixsociety/
本演習の主旨と展開 及び 授業実施・評価方法について
> シラバス
担当者紹介
> STAFF
オンライン環境・ツールに関する参考情報
- KIND Wi-Fi 接続方法
- Office 365
- ログイン > https://portal.office.com/
k 学籍番号 @st.kyusan-u.ac.jp で「九産大組織」にログイン ID, PW は K'sLife と同じ
- ログイン > https://portal.office.com/
- 専任教員のメールについて
- xxxxxxxx@ip.kyusan-u.ac.jp(通常業務用)
- xxxxxxxx@mail.kyusan-u.ac.jp(Teams 他 Office365関連業務用 )
大学での学びについて
大学は「学問」(研究)の場です。これまでの「お勉強」の延長と考えてしまうと様々な勘違いから、その魅力を十分に堪能することができなくなってしまいます。入学と同時に学びの意識を変えましょう。
学びのスタンス
- 大学では「生徒」ではなく「学生」と呼ばれます。また、4年後の3月に挙行されるのは「卒業式」ではなく「学位授与式」です。
- 大学での学びには「学修」という言葉が使われています(大学設置基準)。「学習」と「学修」は違います。「学習」は「学問を習う」、「学修」は「学問を修める」ことで「授業だけでなく事前の準備、事後などを自ら行うことにより、深く学問を理解し身につけること」を意味します。
- 大学の起源は古代にまで遡ります。それは、例えて言えば「知的好奇心旺盛なオタクの集まる場所」でした。みなさんがこれまで過ごしてきた「学校」は、複雑な社会への「適応訓練」が必要となった近代以降のものなので、根本的に質の異なるものだと考えることを推奨します。
- 小>中>高>大>就職 というパイプラインをイメージしていると、本来の大学の価値を享受しないまま卒業することになります。
- 昨今の風潮として、授業が「時間単位の商品」に例えられることがありますが、「授業は商品、学生はお客様」という発想は、あなたを単なる「消費者」にしてしまいます。「授業はコモンズ、学生は共同研究者」というスタンスで取り組むことを推奨します。
参考:大学での学び > 学びのスタンス
すべてのモノ・コトに疑問を持つこと
- 常識を疑ってください。言葉というものは、知らず知らずのうちにあなたの思考を洗脳しています。
常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。 Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18. Albert Einstein 1879 - 1955
- 教科書的な「お勉強」の最大の落とし穴・・それは「そこに書かれていないこと」が明記されていない、すなわち「非掲載リスト」が存在しないことです。視点をメタレベルに置かないとこの事実には気づきません。
高校数学の教科書に「楕円の周の長さ」の公式は載っていない
円の半径 円周の長さ 円の面積 方程式 \(r\) \(2πr\) \(πr^2\) \(x^2 + y^2 = r^2\) 楕円の長径・短径 楕円の周の長さ 楕円の面積 楕円の方程式 \(a\) , \(b\) ? \(πab\) \(\frac{x^2}{a^2} + \frac{y^2}{b^2} = 1\)
- 参考:大学の歴史
学問の体系
- 学問を体系的に把握して下さい。
Wikipedia:学問の一覧
AI活用の現状
演習・実習における AIの活用事例
- 研究プロジェクトにおけるアイデア出し、企画書のタタキ案づくり
- 作品制作における制作支援(すでに様々なアプリに AIが含まれる)
- Web系、データサイエンス系授業におけるコーディング支援
私が利用しているツール
- 認識系AI:
- Google 他のWebアプリ(音声認識、画像認識>文字列抽出など)
- Python:https://www.python.org/
- 機械学習ライブラリ scikit-learn:https://scikit-learn.org/
- 開発環境:https://colab.research.google.com
- ml5.js:https://ml5js.org/
- 生成系AI:
- ChatGPT:https://openai.com/blog/chatgpt/
- LINE AIチャットくん(LINEに組み込まれたチャットボット)
- Blender ChatGPT(3DCGソフトのプラグイン)
- Gemini:https://gemini.google.com/app
- Stable Diffusion:https://stability.ai/
- ChatGPT:https://openai.com/blog/chatgpt/
社会とは何か
人類の30万年を俯瞰して、AIが台頭する未来をイメージします。
人類と社会
- 人類史上のいくつかの段階
- 人類は生物世界における異端児である
- 多様性・相対性
- 視点の相対化(Reframing)について
説明用資料:categorize.blend.zip - ソーシャルデザイン
AI がもたらす情報環境の変化
- 情報革命はかつて何度もあった
言語(自然発生)、文字(以後すべて恣意的)、活版印刷、写真、電子計算機・・
- 新たな技術の登場が、それ以前の技術職を奪うのは歴史の必然
写真術の登場は肖像画家から仕事を奪ったが、その後肖像画家の多くが写真館を開業
- 新たな社会問題の出現?
人間・社会の側の意識改革によって、問題が問題でなくなることもある- フェイク?・・「嘘」は、言語(共同幻想)の誕生とともにある
- 著作権侵害?・・情報を「囲い込んで所有する」発想自体に無理がある
この考え方は、人から学ぶ(まねぶ)意欲、創造する意欲を奪っている - 機密情報の流出?・・ そもそも機密にする必要があるのか?
- 最大の問題は、我々自身の AI(AGI・ASI)に対する関心度の低さ
2022年11月からすでに1年4ヶ月。我々の現状は危機的
学びのスタイルの多様化
工業社会に適応したスタイルからの脱却
プロイセン型 | プロジェクト型 | セッション型 | |
担当教員 | 毎回固定 | 都度流動 | 不要> 座長 |
役割 | 教える | アドバイスする | コーディネート |
学びの型 | 暗記型 | 探究型 | 共有型 |
教科書 | 標準教科書 | 資料配布 | 個々が持ち寄る |
実施形態 | 科目別 | 科目融合 | テーマ別 |
評価手法 | 期末試験等 | 成果報告 | パネルと意見交換 |
評価方法 | 個別評価 | 講評(公評) | |
授業後 | 完結・終了 | 完了>解散 | 随時更新 |
竹内薫 「わが子を AI の奴隷にしないために」を参考に筆者が妄想
人間とAIの棲み分け
人間も社会も動的な「定常開放系」。内部と外部の境界は目に見えるような明確なものではありません。AIは脳をモデルにしていますが、人間は脳だけで考えているわけではなく(そもそも「脳」は言葉によって存在喚起された概念であって実体ではない)、その思考には、全ての細胞、そしてそこを出入りする物質・エネルギー・情報が関与しています。
一方 AIは「孤立系・ 閉鎖系」として存在していて、電源のON/OFF、静的な情報保存、部品単位の交換ができます。身体性を伴わないAIは、所詮機械であって、「自ら学ぶ動機」が生まれることはありません(多分)。
先人の「真似」をしたいという動機からはじまるのが「学び」の本質であるとすれば、人がやりたくないことを任せるべく登場したAIは、歓迎すべきツールではないかと思います。学修者本位の教育を推進するのであれば、学びの中での人間と AIとの「棲み分け」と「協働」の検討が求められていると思います。
- 問題(Question)を解くのは AIの仕事
- 問題(Problem)に気づき、それを共有し、対応するのが人間の営み
Fall in love with the problem, not the solution Google, 2019
ついでに言うと
- 一般的・常識的回答(出現確率の高い言葉の連鎖)を期待するなら AI
ひながなを [ 漢字に変換する ]、ひらがなで [ 書く ]
- 斬新なアイデア(出現確率の低い言葉の組合せ)は「おバカな人間」
ひらがなを [ 洗う ]、ひらがなで [ 滑る ]
コメントの投稿について
出席確認を兼ねて、以下のフォームから投稿をお願いします。
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