内田泰三 研究室
2020.02.17 14:00- |17号館5F デジタルラボ504
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当サイトは、以下のページを個々のレイアウトブロックに埋め込んでいます。
PukiWikiの記法は Markdown記法と同様、いわば「MarkdownのPukiWiki方言」です。
当プロジェクトでご提供するサイトは、「生産完成品」ではなく「編集可能な生産性」です。サイトの表示について自由度が高くなるよう、多くの要素を「ページの埋め込み」によって実現するとともに、各ページのコンテンツが主役となるよう、サイトの視覚的な演出は必要最小限にとどめています。
Wikiシステムの発端は、W.カニンガム(Ward Cunningham)による WikiWikiWeb にあります。ホノルル国際空港内を走る WikiWikiShuttle に由来するその名称は、ハワイ語で「速い(wikiwiki)」 を意味するもので、迅速なページの作成・更新を意味する語として名付けられました。
他のCMSとの違いは、ユーザのニーズにしたがって様々なパターンのページとコンテンツが生まれること、またそれに伴ってサイト全体の構造(メニュー構成)も変化できるという点です。
カニンガムが提唱した Wikiデザインの原則の背景には、オブジェクト指向プログラミングにおける「パターン言語(デザインパターン)」、さらに遡ると、建築家 C.アレグザンダーによる「建築のための6つの原理」があると言われます。
オブジェクト指向プログラミングでは、パターンが具体的なオブジェクトを生み出し、それがまた新たなパターンを生み出す。Wikiで言えば、初期パターンは記事の種別としての「アイデア」・ 「プロジェクト」・「人」といったものでもいいし、Wikipedia のコミュニケーションパターンのように「ドキュメント」と「議論」といったものでもいいでしょう。パターンがコンテンツを生み、その相互作用がまたパターンを生み出すのです。
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C. アレグザンダー流に言えば、生きた組織は 「ツリー」構造ではなく「セミラティス」の構造を持っています。トップダウン式に全体を統治する「ツリー」は、官僚、警察、軍隊といった組織には通用するかもしれませんが、複数のメンバーが複数プロジェクトに重複して関わる組織や、開かれた地域社会には馴染まず、同様にそれが持つ情報もツリー状に整理するのは難しいと言えます。
Wikiは、複数のメンバーによって「ページ」を相互にリンク・調整する自律分散協調系であり、それはまさにセミラティスの構造を持っています。その意味でも、組織の情報共有にとって最も適性の高いシステムは Wiki だと言えるのではないでしょうか。我々がその思考に用いる言語の統辞構造は基本的にツリーですが*1、一方「言葉」の意味体系、 すなわち価値は、具体的な発話の相互作用によっ て絶えず更新し続けるものだと言えます*2。Wikiは人類最大の発明である「言葉」と同様の仕組みで、価値生成の原動力になると考えています。