デザイン領域 加藤大地
私たちは「くもり」を介して世界を見ている。「くもり」とは、単に天気の「曇り」のことではなく、雨や霧、砂塵などの大気の層、生命体から物質に至る透明なものを表し、日本語では「にごり」や「かげり」、「かすみ」とも言い換えられる。私たちは、空が青い、雲が白い、緑色の山などと対象物を一色で表現することが多いが、実際に目を向けてみれば、それらは「くもり」を介して多様な色彩を見せている。
04/16:情報集め、関連作品調査
04/23:テーマ決め
04/30:映像記録、製作
05/07:映像記録、製作
05/14:映像記録、製作
05/21:発表
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❶(何かに遮られて)陽光や月光が下界に届かない状態 になる(である)。 ❷ 膜がかかったようになり、透明なものがはっきり見通せ(輝いていたものの光が見え)なくなる。 ❸ 心や顔つきが晴ればれしないで暗くなる。 ❹ 不当な欲望に支配されたり 金銭・麻薬などに麻痺したりなどして、精神状態が正常に機能しない状態に在る。
❶ 曇っている こと(状態)。新明解国語辞典第七版より
それらの情況は ー 日本文化の特質を示す固有の情況であるにしてもー すべて、ゲーテの「くもり」のなかに包容される現象です。谷崎は決して色彩論を展開しようとしたわけではありませんが、谷崎の「陰翳」を介して生成する多様な現象へのまなざしと実に直感的な現象の記述とは、その観察と表現の豊かさにおいて、東のゲーテにも喩えることができるのではないかと思われます。
向井周太郎, 2009, デザイン学,武蔵野美術大学出版より
ゲーテは現象の微妙な機微やパターンを感じ取るという点において、人並外れた感性を有していた。パラスマや谷崎もまた同様に鋭い観察眼をもち、それを端的かつ美的な言語表現に昇華する術を持っていた。
三好賢聖, 2022, 動きそのもののデザイン,ビー・エヌ・エヌ出版より
記録動画
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