第1回 ガイダンス
井上 貢一|2022.04.11
授業日時・教室
- 2022年4月11日 15:40 -
- 1号館S棟4F S401教室
- Zoom 同時配信実験
- ミーティングID: 951 9729 5711
- パスコード: 031104
コメントの投稿締切について|2022.04.11 追加
極端に言えば、私が次担当する最終回までに入力いただければOKですが、PCがあるか、Zoomの経験があるかなどは、次回以降ご担当の先生方への参考情報となりますので、なるべく早く投稿していただくようお願いします。
ガイダンス
当科目は、複数の学部の専任教員と外部講師の方とのコラボレーションによって実施されます。授業回によって講師・実施形態が異なるとともに、Covid-19の感染拡大状況によっては、急遽予定が変更される場合もありますので、このサイトのアドレスをブックマークするとともに、事前にトップページの「お知らせ」を必ず確認するようお願いします。
https://vision.ip.kyusan-u.ac.jp/aixsociety/
本演習の主旨と展開 及び 授業実施・評価方法について
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担当者紹介
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オンライン環境・ツールに関する参考情報
大学での学びについて
大学は「学問」(研究)の場です。これまでの「お勉強」の延長と考えてしまうと様々な勘違いから、その魅力を十分に堪能することができなくなってしまいます。入学と同時に学びの意識を変えましょう。
学びのスタンス
- 大学では「生徒」ではなく「学生」と呼ばれます。また、4年間の修了時に挙行されるのは「卒業式」ではなく「学位授与式」です。
- 大学での学びには「学修」という言葉が使われています(大学設置基準)。「学習」と「学修」は違います。「学習」は「学問を習う」、「学修」は「学問を修める」ことで「授業だけでなく事前の準備、事後などを自ら行うことにより、深く学問を理解し身につけること」を意味します。
- 授業は「商品」、学生は「お客様」という発想は、あなたを単なる「消費者」にしてしまいます。授業は「コモンズ」、学生は「共同研究者」というスタンスで取り組むことを推奨します。
学問の体系
学びのモチベーション
- 学びを駆動するモチベーションは、大きく以下のように分けることができます。おそらく、最も強い動機となるのは「感染動機」です。
競争動機 < 理解動機 < 感染動機
参考:宮台真司 「14歳からの社会学」
すべてのモノ・コトに疑問を持つこと
社会とは何か
人類の30万年を俯瞰して、AIが台頭する未来をイメージします。
社会(Society)とは 参考:デジタル大辞泉
- 1. 人間の共同生活の総称。また、人間の集団としての営みや組織的な営み。
- 2. 人々が生活している、現実の世の中。世間。
- 3. ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり。また、仲間意識をもって、みずからを他と区別する人々の集まり。
- 4. 共同で生活する同種の動物の集まりを 1. になぞらえていう語。
社会的共通資本(Social Overhead Capital)とは
すべての人びとが、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力のある社会の安定的な維持を可能にする自然環境と社会的装置。以下の3つの類型で、これらを社会共通の財産と考えます。
- 自然環境:山、森林、川、湖沼、湿地帯、海洋、水、土壌、大気・・
- 社会的インフラ:道、橋、鉄道、上・下水道、電力・ガス
- 制度資本:教育、医療、金融、司法、文化
人類と社会
AIの現在と未来
- 今話題の AI は、その大半が「用途特化型のパターン認識マシン」
- AIがヒトの仕事を奪う?
これは未来の話ではなく、すでにおこっている現実です。AI を持ち出すまでもなく、IT 技術がもたらした定型業務の自動化は、職場からどんどんヒトを追い出しています。パターン認識的なスキル(試験でいい点数を取る能力)では AI には勝ち目がありません。日本の教育現場で行われている従来型の学習*1の多くは、未来への投資にはならず、教育の在り方も大きな変革期を迎えています。
ちなみに、AIに代替されて不要になる職業の代表格は「兵士」です。
- 人間の仕事が置き換わる順序*2
足 > 脳 > 腕 > 顔(表情)>手の指
- 一般にAIはソフトウエアであるため開発は早く、ロボットはハードウエアであるために、その開発・製造には時間がかかります。
- 車の運転はこの数年、知能レベルも10〜20年でかなり置き換わります。人間の器用な指先の動きをロボットが代行するのが一連の置き換えプロセスの最後になると言われています。ホムンクルスを見ればわかるとおり、手・指には多くの脳領域が割り当てられています。
- AI が変える未来
- 環境:都市空間、交通環境、建築空間
- プロダクト:車、家電・・・AI 兵器
- 情報:ソフトウエア、小説、音楽、視覚芸術
- しかし、仕事を奪われる・・と不安になるのではなく、人がやるべきこととAIに担わせるべきこととの「棲み分け」を考えて、未来感を持って学ぶことが重要だと思います。
読書案内
- サピエンス全史, ユヴァル・ノア・ハラリ, 河出書房新社
- 宇沢 弘文, 社会的共通資本, 岩波新書
- 落合 陽一, 日本進化論, SB新書
- 斎藤 幸平, 人新世の「資本論」, 集英社新書
- 堀江貴文, すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論 , 光文社新書
- 宮台真司, 14歳からの社会学―これからの社会を生きる君に, ちくま文庫
- 日本経済新聞社編, AI 2045, 日経プレミア
- 新井紀子, AI vs 教科書が読めない子どもたち , 東洋経済
- 井上智洋, 人工知能と経済の未来 , 文芸春秋
- 西垣通, AI原論 - 神の支配と人間の自由-, 講談社選書
- 丸山俊一, AI以後, NHK出版新書
- 矢野和男, データの見えざる手, 草思社
コメントの投稿について
出席確認を兼ねて、以下のフォームから投稿をお願いします。
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受講生の方の受講環境、各種ツールの利用経験についてお尋ねするとともに、以下の設問を設けていますので、コメントをお願いします。
あなたの身近にあるAI について、
その名称、機能、またそれに対して
あなたが感じていることを200字程度で語って下さい。