くもりのインタラクション
デジタルにおけるくもりの表現
加藤大地
背景
私たちは「くもり」を介して世界を見ている。「くもり」とは、単に天気の「曇り」のことではなく、雨や霧、砂塵などの大気の層、生命体から物質に至る透明なものを表し、日本語では「にごり」や「かげり」、「かすみ」とも言い換えられる。私たちは、空が青い、雲が白い、緑色の山などと対象物を一色で表現することが多いが、実際に目を向けてみれば、それらは「くもり」を介して多様な色彩を見せている。
アウトプット
- 様々な「くもり」の映像記録
- 「くもり」をテーマとしたインタラクティブアート(勉強します...)
スケジュール
04/16:情報集め、関連作品調査
04/23:テーマ決め
04/30:映像記録、製作
05/07:映像記録、製作
05/14:映像記録、製作
05/21:発表
2024.04.30
- その時の湿度との関連させたい
- 距離や位置によって色が変えたい
記録動画
2024.04.13
「くもり」について
- くもる【曇る】
①(何かに遮られて)陽光や月光が下界に届かない状態 になる(である)。 ②膜がかかったようになり、透明なものがはっきり見通せ(輝いていたものの光が見え)なくなる。 ③心や顔つきが晴ればれしないで暗くなる。 ④不当な欲望に支配されたり 金銭・麻薬などに麻痺したりなどして、精神状態が正常に機能しない状態に在る。
- くもり【曇(り)】
①曇っている こと(状態)。
新明解国語辞典第七版より
- ゲーテ『色彩論』における「トリューべ(trübe)」(くもり)
- 色彩の根本的な生成の源、媒体
- 「気体」「液体」「個体」の段階
- 大気の層
- 靄(もや)、蒸気、煙、砂、塵、霧、雲、雪、雨、など
- 生命から物質に至る、あらゆる透明な(わずかに透けて見える不透明性なものも含む)媒質
- 葉、クラゲ、ガラス
- 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』における「陰影」について表現
- 「薄暗さ」「ほの暗さ」「暗がり」「濁(にご)り」「翳(かげ)り」「曇り」「薄明かり」「明暗」など
- 「ぽうっと」「ぼんやり」「ほんのり」「もやもやと」「朦朧(もうろう)たる」
- 「滲(にじ)み」「鈍い」「沈んだ」「どんよりとした」
参考:向井周太郎, 2009, デザイン学,武蔵野美術大学出版
ゲーテと谷崎
それらの情況は ー 日本文化の特質を示す固有の情況であるにしてもー すべて、 ゲーテの「くもり」のなかに包容される現象です。谷崎は決して色彩論を展開 しようとしたわけではありませんが、谷崎の「陰翳」を介して生成する多様な 現象へのまなざしと実に直感的な現象の記述とは、その観察と表現の豊かさに おいて、東のゲーテにも喩えることができるのではないかと思われます。
向井周太郎, 2009, デザイン学,武蔵野美術大学出版より
記録動画
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2024.04.16
キーワード
- 詩的
- 補色残像
- パレイドリア
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- 詩的な想像に形を与えるようなデザインとものづくりを追究している
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