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加藤大地/情報デザイン のバックアップ(No.17)


くもりのインタラクション

デジタルにおけるくもりの表現

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デザイン領域 加藤大地

背景・目的

 太陽から発せられた光は、宇宙塵や雨、霧、砂塵などの大気の層を通り、やがて私たちの目に届く。時間、場所、気候などの条件によって異なる一回性のそれらによって散乱した光は、私たちに多様な色彩を見せ、私たちが光や色に関する豊富な言語表現を持つこともそれが一因なのではないだろうか。日本語において、それらによって観測する対象がはっきり見えなくなる現象は「くもり」や「かすみ」と呼ばれ、さらに「ぼんやり」「ほんのり」「もやもや」などその現象を形容する言葉も豊富に見られる。また、日本の浮世絵や水墨画にも「くもり」や「かすみ」の表現が見られ、日本人にとってはなじみの深い現象だったのではないだろうか。
 デジタル化が進む近年、あらゆる物事の再現が可能になり合理化や効率化が進んでいるなか、私たちが一回性の物事に目を向ける機会は減ってきてはいないだろうか。「くもり」の現象が様々な言葉や表現を生んだように、私たちがそれらに目を向けることは、私たちの豊かな心のあり方に大切なことではないだろうか。私は、再現性のあるデジタル表現にそれらを組み込むことで新しい表現のあり方を提案できるのではないかと考えた。本制作で私は、デジタル表現と一回性の現象である「くもり」を掛け合わせたインタラクティブアートの製作を行う。


アウトプット

スケジュール

04/16:情報集め、関連作品調査
04/23:テーマ決め
04/30:映像記録、製作
05/07:映像記録、製作
05/14:映像記録、製作
05/21:発表

2024.05.07

鏡になっているもの(参考作品)
モザイク_
鏡とモザイク
勉強中のもの

2024.04.30

参考作品
勉強中のもの

2024.04.13

「くもり」について

ゲーテと谷崎の共通点

それらの情況は ー 日本文化の特質を示す固有の情況であるにしてもー すべて、ゲーテの「くもり」のなかに包容される現象です。谷崎は決して色彩論を展開しようとしたわけではありませんが、谷崎の「陰翳」を介して生成する多様な現象へのまなざしと実に直感的な現象の記述とは、その観察と表現の豊かさにおいて、東のゲーテにも喩えることができるのではないかと思われます。

向井周太郎, 2009, デザイン学,武蔵野美術大学出版より

ゲーテは現象の微妙な機微やパターンを感じ取るという点において、人並外れた感性を有していた。パラスマや谷崎もまた同様に鋭い観察眼をもち、それを端的かつ美的な言語表現に昇華する術を持っていた。

三好賢聖, 2022, 動きそのもののデザイン,ビー・エヌ・エヌ出版より




記録動画




2024.04.16

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