九州産業大学のVIの刷新
- Keywords:VI, ロゴ, シンボルマーク,ロゴタイプ
概要
研究背景
現状
・九州の総合大学
・文理芸融合
・伝統と先進性
・少子化対応
課題
・デジタル媒体での視認性や展開性に課題がある
・ブランドイメージのズレを感じる
研究目的
・ブランドイメージを再構築
・現代的で汎用性の高いロゴに刷新し、デジタル媒体での視認性や展開性の課題を無くすこと
コンセプト
信頼+柔軟性+先進性の表現
2025.7.7.#ロゴ作成
・シンボルマークの修正
(かたち、アウトライン、カラー)
・シンボルマークの意味の裏付け
・ロゴタイプの変更→欧文タイプへ
2025.6.30.#ロゴ作成
シンボルマークには翼を持つ動物をモチーフにすることでコンセプトを表現できるのではないか?
→羽根を持つ生き物
→羽根を持つ蝶々(モチーフイメージとして、変化、変貌)
参考 色はロゴづくりで最重要?
ロゴ作りにおける色の考え方から決め方
2025.6.23.#シンボルマークについて
シンボルマークを制作するにあたって
・線と面を考える
・シンボルマークを使用する場所が大きくても小さくても分かるようなものにする
・ロゴタイプとの相性を考える
・造形が細すぎると使用する場所が小さい時に視認性が良くない(現在の九産大のロゴの課題)
西日本銀行シンボルマーク
福岡銀行通帳デザイン
ジョージ・ボクア著、百合田香織訳による「ロゴデザインの原則」
主張:新しいものや意味のこもったものを生み出すスキルは容易く身に付く単純なものではない
ロゴデザイナーに必要なスキル
1.デザインの原則を学び、ロゴ制作ツールを使いこなせるようになるのに膨大な時間を費やす覚悟
学び、経験を積むことで印象的なロゴデザインの制作に必要なリサーチ、ムードボード、スケッチといった達人になれる。
2.自然や周囲の環境をシンプルにした幾何学形態として捉えること
目にしたものの裏側にある構造やグリッドが感じられるようになり、構成が理解できるようになりデザインプロセスが自由で楽なものに斬新な驚きに満ちたものになる。
3.誇り高き空想家となって美しく小さな形状や構成を絶えず心の中で探し続けること
ほとんど目にしているものは残滓であり、ありふれた平凡であり表層の姿である。ここに着目し、さらに奥深く深遠な小さな宇宙を覗いてみれば、本当は捉えて髪の上に描き出すべきなのにまだ外出されていない問題に気がつくだろう。
4.外を歩いて考えながらも、日常的なものから視覚的なヒントが見えてくる瞬間を受け入れられる力
etc)刺激的な形状や興味を惹きそうな建築〜屋外広告の宣伝文句の周りにあるネガティブスペース...
5.問題に直面しても立ち直る力や課題に向き合い続ける力が必要
ロゴデザインは彫刻であり、作り上げるプロセスの中で不要なコンセプトやデザインソリューションが徐々に削り取られ、残った強くて美しいものが結晶する
スケッチ(=ロゴデザインの基礎となるプロセス)が大事な理由
1.新しい形状を作り出すひつようなある種の自由をもたらしてくれる
2.スケッチを通して可能性を幅広く受け入れることで、初めてもたらされるソリューション(解決策)がある
3.儚く、容易く消えてしまうインスピレーションをいかなる時も書き留められる
クリエイティブな力の根源:
私たちを駆り立てて、執拗なまでにディティール(しつこいほど細部まで)に注意をはらわせ、どんな些細な不備も大問題にしてしまうが、時間をかけてそうした「完璧主義」を実践していくことで限界を見極め、範囲を広げられる。
私たちのゴール:
新しくシンプルかつ完璧で時代を超越した表現を見つけ出すこと
結論:
デザイナーは何か一つ達成したからといって立ち止まってはいけない。
要素を足したり引いたりし続けなればならない。
そこに時間をかければかけるほど、最終的に生み出されるものは正確で完璧になる。
だから、シンボルの作り手として、自分はまだ見ぬ世界あるいは過去や未来へと足を踏み入れる冒険家だと考えよう。
シンプルで小さな美しい形状達が認識され、考え出され、視覚化されるのを待っている。
2025.6.16.#市場調査&スケッチ
コスメ業界のロゴ分析
ブランド | カラー | フォント | VIの特徴 |
JILLSTUART | ピンク系、ローズゴールド | 華奢なサンセリフ風 | フェミニン&エレガント |
Paul&Joe | ペールピンク、オフホワイト、ゴールド | 細身サンセリフ | 花柄、遊び心、レトロ可愛 |
Dior | モノトーン | Nicolas Cochin系 | Didot系セリフ |
JILLSTUARTのロゴは、ブランドのコンセプトである「イノセント・セクシー」を象徴するデザインです。特に、「S」の文字が他の文字よりも少し大きく、中央に配置されている点が特徴的で、これによりブランドの印象を強く残す効果があります。
JILLSTUARTのロゴは、ブランドのアイデンティティを確立する上で重要な役割を果たしています。TSIホールディングスが展開する「JILL by JILL STUART」など、セカンドラインのロゴにも、この基本的なデザイン要素が踏襲されています。
JILLSTUARTロゴの詳細分析:
フォント:
ロゴは、クラシックで上品な印象を与えるセリフ体(文字の端に飾り線のある書体)を使用しています。これは、ブランドの持つフェミニンで洗練された雰囲気を表現しています。
Sの配置:
「S」の文字が他の文字よりも少し大きく、中央に配置されている点が特徴的です。これは、ブランド名である「JILL STUART」の頭文字であると同時に、ブランドのコンセプトである「セクシーさ」を表現していると考えられます。
カラー:
ロゴの基本的なカラーは、ブランドイメージに合わせたピンクや白、またはゴールドなどが使われます。これらの色は、ブランドの持つ可愛らしさや上品さを表現しています。
全体的な印象:
ロゴ全体としては、可愛らしさと洗練された大人の女性らしさを両立した、バランスの取れたデザインとなっています。
ブランドコンセプトとの関連:
JILLSTUARTのブランドコンセプト「イノセント・セクシー」は、ロゴにも反映されています。可愛らしさ(イノセント)と大人の女性らしさ(セクシー)の両面を表現するために、フォントやSの配置、カラーなどが工夫されています。
公式サイト
(他引用元:https://logomarket.jp/labo/jillstuart-logo/?srsltid=AfmBOopGYPWgjEFZQpA04SmqmkRJXoT_sZ9MjXBQ9lKp1vuAlu_weswR)
ポール&ジョーのロゴは、ブランドのテーマである「日常の中の小さな幸せ」や「パリジェンヌのライフスタイル」を象徴するような、フェミニンで上品な印象を与えます。
1995年、2人の息子の名前を冠した「PAUL & JOE」をメンズコレクションからスタートし、翌年レディースコレクションを立ち上げました。
ソフィー・メシャリーが提案するコレクションは楽しさに溢れ、デザインのいたる処に"JOIE DE VIVRE(生きていることの喜び)"が散りばめられている。コレクションは毎回オリジナルプリントが加わり、そのシーズンに花を添えて展開しています。
特に、猫モチーフや花柄のデザインがよく用いられ、ブランドの世界観を表現しています。
猫モチーフ:
ポール&ジョーの象徴的なモチーフで、ブランドの可愛らしさや親しみやすさを表現しています。
花柄:
フェミニンで上品な印象を与え、ブランドの洗練された雰囲気を演出しています。
フレンチテイスト:
パリ発のブランドであることから、フレンチテイストを取り入れ、洗練されたデザインに仕上げています。
ロゴタイプ:
ブランド名の「PAUL & JOE」は、創業者ソフィー・メシャリーの息子の名前が由来となっており、ブランド全体に家族愛や温かみが込められています。
→ 公式サイト
(他引用元:https://brandattend.com/paul-joe-1/)
ロゴ表記:「DIOR」(全大文字で表記されることが多い)
フォント: セリフ体(Didotやそれに近いクラシックなモダン・セリフ体)
→ シャープで洗練された印象。細くて優雅な線と太い縦線のコントラストが特徴。
色: 一般的にはブラックまたはホワイト。シンプルで高級感を引き立てる色使い。
デザインの細部の特徴:
「D」:大きめで存在感があり、曲線が美しい
「I」:細めで縦にスッと伸びている。
「O」:丸みを帯びたクラシックな形状。視覚的バランスを取っている。
「R」:脚(レッグ)の部分がやや長く、エレガントさを演出。
ブランドイメージ:
ロゴはシンプルだが非常に洗練されており、時代を超えて通用するエレガンスを表現。
「フランス的ラグジュアリー」や「クチュール(高級仕立て)」の価値観と一致。
他大学VI分析
アイディアスケッチ
2025.6.9.#市場調査
ビジュアルアイデンティティ(Visual Identity)
ある組織(企業・大学・団体など)の「視覚的なブランド表現」のことを指す
ビジュアルアイデンティティの要素
要素 | 内容 |
ロゴ(ロゴタイプ・シンボルカラー) | 組織の顔、覚えと貰いやすいデザイン |
カラー(ブランドカラー) | その組織をイメージさせる色 |
フォント(書体) | 公式に使う文字のスタイル(堅め・柔らかめなど) |
レイアウトルール | ロゴの配置、余白、サイズのルールなど |
名刺・パンフ・Webなどのデザインルール | どこでも一貫した見せ方ができるようにする |
関連する言葉との違い
用語 | 説明 |
VI(ビジュアルアイデンティティ) | 視覚に特化した「見せ方」の統一 |
CI(コーポレートアイデンティティ) | 組織の「存在意義や哲学」まで含んだブランドの全体像 |
BI(ブランドアイデンティティ) | VIも含めたブランドの「性格・世界観」の表現 |
3美大のVI調査
1.武蔵野美術大学(ムサビ)
・「MAU」ロゴ:大学名称から取り出した頭文字を組み合わせたシンプルなロゴ
・視認性が高く、ムサビらしさと存在感を視覚化している
・100周年シンボル:「MAU+100」の構成で、横向きの“0”が起き上がるように配置され、挑戦と再生のストーリーが込められている
(引用:https://www.musabi.ac.jp/100th_pr/award/)
2.多摩美術大学(タマビ)
・羊の頭を抽象化した1953年校章が起点。1995年に漢字「美」をモチーフにした現行ロゴへ刷新
・「自由と意力」を象徴する力強い造形で、教育理念がしっかり視覚化されている
(引用:https://www.tamabi.ac.jp/about/identity/)
3.東京造形大学(Zokei)
・シンボル:イオニアスパイラル:古代ギリシャの柱頭に由来する無限発展を示す円環を、直線化したモダンなマーク
・2019年改定ロゴ:「バウハウス」Erbar書体を基に、教授陣が開発。機能性と合理性を重視しながらZokeiらしさを表現している
(引用:https://www.zokei.ac.jp/university/zokeilogo/?utm_source=chatgpt.com)
学校 | シンボルカラー | フォント・ロゴ書体 |
武蔵野美術大学 | ブルー・イエロー(周年レッド) | 独自ロゴ造形(原研哉氏による設計) |
多摩美術大学 | 日本画科:青系、彫刻科:黄系、図案科:赤系、西洋画科:緑系 | 漢字「美」+MB101・リュウミンL‑KO等 |
東京造形大学 | 単色モノトーン運用 | Erbar‑Groteskベースのオリジナル書体 |
九産大の既存VI分析
(引用:https://www.kyusan-u.ac.jp/eas/app/wp-content/uploads/2021/06/new_ksuksuz_logo.pdf)
1. ロゴ・シンボルマーク
校章:「椎木と楠木の葉+大学名」を組み合わせたデザイン
1963年に学生公募で学友会章として誕生し、50周年の際に正式な校章として制定された
60周年記念ロゴ(2020年):「2020」をモチーフに車のように前進感や勢いを表現。ロゴ内に“Go”の意味も込められており、日髙英輝氏(芸術学部卒)が制作
2. カラー設定
メインカラー:深めのエンジ色/紅色
パーツ | DIC色 | CMYK |
楠の葉(赤) | DIC 236 | C35 M95 Y85 K0(例) |
大学名文字 | 黒 | C0 M0 Y0 K100 |
3. 書体・フォント
大学名漢字:ロダンPro-DB (九産大共通)
ローマ字:Univers 67 bold(九産大共通)
4. スローガン・メッセージ
中期ビジョン(2030年目標):「新たな知と地をデザインする大学へ — もっと意外に。もっと自由に。」
創立60周年以降、「文×理×芸」の融合を押し出し、グローバル総合大学としての方向性を示している
5. 過去の導入目的・背景
校章制定(50周年):学生がデザインした学友会バッジを母体に、大学運営の象徴として校章化
カラー変更:旧色の廃番に伴い現代的なエンジ色に刷新
60周年記念ロゴ大学の歴史と未来への意志を視覚化し、進歩性と勢いをロゴに込める狙い
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1.自大学の“軸”を明文化する
産業との連携、実学重視、などの特徴を言語化してデザインに反映。
2.モチーフ案の探求
地域性・学びの象徴・歴史などから抽出したモチーフ案をリストアップ。
3.展開パターンを検証
ロゴ・モーション・空間・グッズなど、複数メディアでの応用を想定。
授業内で
◯課題として
・シンボルマークの複雑さ(Webや冊子に掲載する場合、潰れてしまう)
◯ロゴの共通認識として
全体的なゴールビジョン ・ 九州にあり、「文×理×芸」の融合を押し出し伝統的+先進的を表すロゴ、象徴