デザイン総合研究I
渡邊和幸
研究背景・目的
日々使っているデジタル製品やサービスの中には、「なぜか心地よい」「なんとなく好きだ」と感じるものがある。それは必ずしもスペックや機能、価格といった数値的な要素だけでは説明しきれない感覚である。多くの場合、その背景には操作時に目にするアニメーション、耳に届くフィードバック音、指先に伝わる触感といった、短くても丁寧に設計されたインタラクションがある。
こうした瞬間的なやり取り、すなわちマイクロインタラクションは、一見すると目立たないが、ユーザーの感情に働きかけ、ユーザー体験全体に一貫性や意味をもたらす重要な要素である。
近年、ユーザー体験における設計のあり方は、単なる利便性や操作性を超え、より深い情緒的つながりや、使う人の中で意味のある経験を生み出すことに重きが置かれるようになっている。このような視点から見ると、マイクロインタラクションは、単なる視覚的・聴覚的な装飾ではなく、ユーザーの期待を調整し、安心感や心地よさを提供し、時には喜びや驚きを生み出す「体験の語り手」として機能しているといえる。
しかしながら、これらの小さな要素がどのように感情的な共鳴を生み出し、ユーザーの体験にナラティブな連続性や意味を付与しているのかについては、実践的にも理論的にも十分に整理されているとは言い難い。
そこで本研究では、マイクロインタラクションがユーザー体験に与える情緒的・意味的影響について構造的に分析し、それをもとに実践的なデザイン指針として提案する。また、成果物として指針に基づくウェブサイトを作成する。これにより、より豊かで記憶に残るユーザー体験の実現に寄与することを目指す。
用語の定義
- マイクロインタラクション
- ユーザーインタフェース上における短時間かつ単機能のインタラクション
- 感情設計
- ユーザーが製品やサービスを使用する際に経験する感情に焦点を当て、それを主体的にデザインするアプローチ
- 意味生成
- ユーザーがマイクロインタラクションを通じて、その体験に対する価値・感情・文脈的な解釈を形成し、それを自己の経験として統合する認知的・情緒的プロセス
- ナラティブ構造
- ユーザー体験が一連のマイクロインタラクションを通じて時間的・感情的に連続し、それが「意味ある物語」として知覚・記憶される構造
参考文献
- Alita Joyce(2025)『UXにおけるマイクロインタラクション』2025年4月21日アクセス、https://u-site.jp/alertbox/microinteractions
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2025.04.29
物語の構成
3幕構成
- アリストテレスによる指摘
1. 始まり (Beginning)
2. 中盤 (4幕構成)
3. 結末 (End)
- 歌舞伎・能・文学などの日本の伝統芸能の構成
1. 序 (Introduction)
2. 破 (Middle)
3. 急 (Rapid Ending)
4幕構成
- 中国・韓国・日本の古典
1. 起 (Introduction)
2. 承 (Development)
3. 転 (Change)
4. 結 (Rapid Ending)
5幕構成
- フライタークのピラミッド (Freytag's Pyramid)
1. 提示部 (Exposition)
2. 上昇展開 (Rising Action)
3. クライマックス (Climax)
4. 下降展開 (Falling Action)
5. 大団円 (Denouement)
引用: https://note.com/ishimatsu/n/nd27fec422b1c
2025.04.22
マイクロインタラクションについて
- マイクロインタラクションの構成要素
- トリガー (ユーザーのアクションを促す要素)
- ルール (アクションによって何ができるか)
- フィードバック (何が起きたのか理解できる動き)
- ループとモード (どのような条件で上記3つを繰り返すか)
- 日常行動学の観点から
- 100ms単位のやり取り
- だるまさんが転んだのようにごく短いが確かに存在するやり取り
- マイクロインタラクション (Dan Saffer 著) の書籍が参考文献として多く登場
- マイクロインタラクション ≒ シグニファイア
- ゲームの UI が参考になるかも?