浦脇 駿 Kakeru Urawaki
博士前期課程 芸術表現領域 渡抜 研究室
研究テーマ
『想起』
・クラゲや泡、星と菌類のような実体があまり掴めないもの
・コラグラフは偶然にできたマチエルや凹凸を作ることができる
・海や川に沈んだ経験から『きっかけ』
→脚が地面につかないこと、底が見えず、暖かいのか冷たいのかわからない感覚
暗闇の中に引きずり込まれているような感覚、体の感覚がわからない浮遊感
水中から見る水面や光の柱、反射してキラキラと光る泡、と恐怖の隣に綺麗なものがあること、見え方によって変わってくること。
・制作しているコラグラフはジェッソを主として、木板に塗り重ねていくことにより、高低差を作り、画面を制作していく。
・コラグラフでできる形はある人には人の顔に見えたり、また違う人には全く違うものに見える。
→怖いものだったり、動物だったり、森だったりと感じ方で変わる。
・クラゲは時にキノコや顕微鏡でのぞいて見えるウイルスの姿に見えるかもしれない。
・コラグラフの印刷で出す薄暗い写真のような印象は、人のノスタルジーを刺激するかもしれない。
→観た人が大切な人との思い出の背景だったり、小さい頃の怖い経験を思い起こすような、感情が溢れるような。
・ジェッソを中心に使用しているが、メディウムやボンド、ナイロン紐と使用している。
◎テーマの動機
はじめてコラグラフに触れた時のことや、観たことで感じたことを含めた、自分自身の経験を思い起こすといったことや観た人からの印象より、クラゲがとして描いている内容がキノコや微生物、ウイルスと見えたことより、人によって、思い起こす作品の姿が違っていること。
◎作品をつくることから
経験から思い出すことや求めたりとしたことを、クラゲや泡といった形が捉えづらく実体が曖昧なものとする。また、コラグラフを最初に印刷したものを観た時のことを思い返すと、写真のような印象からノスタルジー的なものを感じました。
懐かしくもあり、怖いものでもあり、観た人の経験より、見るものは変化していく、私にとっては、クラゲや泡と自身の経験より制作して完成させているが、それぞれの見た人にとっては、違ったものが想い起こされ、画面に現れる。それぞれの見方によって、完成される作品の姿が違うというものになる。作品としては欠点に近いかもしれない、内容が曖昧なものになっている。