桂 克栄 GUI KERONG
博士前期課程 写真・映像領域 百瀬俊哉 研究室
研究テーマ:デジタル社会における私写真:家族記憶、現実環境、AI技術に基づく自己構築
制作内容
現代社会において、写真は単なる記録や伝達の手段にとどまらず、自己表現や心の交流の力を持っている。しかし、デジタル社会の急速な発展により、さまざまなタイプの写真が氾濫し、私たちもよくその中で自分自身を見失ってしまうこともある。そうした状況の中で自己を見つめ直すために、私は「私写真」というテーマを選んだ。現代の写真技術と心理学、視覚表現を組み合わせることで、デジタル社会における私写真の可能性と自己構築を探求したいと考えている。
制作目的
本研究では、撮影者自身の家庭の記憶や現実の環境などを分析し、心理学や視覚デザインとの融合を通じて、撮影者自身による自己構築やフォトセラピーの可能性を探求する。また、現代のAI写真技術を活用することで、「幻想」のポートレートを可視化し、デジタル社会における「私写真」の定義とその境界の拡張可能性を追求したいと考えている。
制作計画
本研究を完成させるために、まずは私写真家に関する資料の収集・分析・整理を行い、あわせて私写真、心理学、自己表現、AI写真に関する文献を読み整理する。次に、家族写真の整理と初期撮影を行い、関連するAI写真の知識を習う。その後、自身の作品を制作・ブラッシュアップし、論文の執筆に取りかかる。最終的には、作品の発表および論文の完成を目指する。
方法
私は三つのアプローチから研究を進め、それぞれに対応する三冊の写真集を制作する。
第一に、家族写真の収集と、それらの加工・再構成を行い、視覚や記憶を通じて自己の構築を試み。
第二に、日常生活の撮影と記録を行い、自身の生活環境や習慣、感情などを可視化し、それらの関係性を探る。
第三に、AI写真技術を用いて、既存の写真や記憶をもとに画像を生成する。さらに、実際の写真との重ね合わせや合成、物語的な編集を通して、現実と虚構が交錯する視覚表現の可能性を探究する。
-内部リンク:[[学生一覧]] -外部リンク1:http://www.kyusan-u.ac.jp/ -外部リンク2:[[九産大>http://www.kyusan-u.ac.jp/]]
展覧会、研究発表、プロジェクト活動等
2019年9月「平遥国際写真展」出展
2024年6月「島展」(福岡市美術館)出展
2024年12月「掬」(福岡県美術館)出展